オープンキャンパス2007
今年は図書館の開館日に実施されたため、館内には文献を探したり閲覧席で読書をする在学生の姿も多く、参加者のみなさんには、大学生活の一端にふれていただけたのではないでしょうか。
オープンキャンパス委員の中村俊春先生(美学美術史学)の引率のもと、展示コーナーや、通常は学外の方が入ることができない書庫の中を探索していただきました。
参照)オープンキャンパスとは(京都大学)
閲覧室 ミニ展示コーナー
入口からカウンターまでの正面通路の脇に、この日限りの展示コーナーを設けました。開館中であったため、6点を展示しました。
文学研究科図書館の蔵書は、明治39年の文科大学開設以前から収集が始められ、以来長きにわたって蓄積された学術研究のための専門図書が中心です。
その中から、参加者の方々が翻訳で読まれたり、歴史や古典の授業で名前だけなら知っているという資料を選び、その原典や複製資料などをご覧いただきました。普段はほとんど見ることができない貴重書に指定された資料もあり、中でも『源氏物語』は、2008年が記録の上で確認されてからちょうど1000年という節目の年にあたるため、例年以上に注目を浴びていました。
・クリックすると大きな画像(*印のみ)と説明を表示します
展示コーナー(1)* |
展示コーナー(2)* |
展示目録
- 展示キャプション(各専修の教員の執筆による)の内容に、一部原書名、展示箇所等を補記しました。
- キャプションのタイトルは書名と異なっている場合もあります。
- リンクのあるタイトルをクリックすると、書誌情報(CiNii Books)を確認できます。
番号.キャプションタイトル | 当館請求記号 |
説明 | |
1. アインシュタインの特殊相対性理論 | 科哲史 0∥E∥1 |
アインシュタイン(Albert Einstein, 1879-1955)は、20世紀を代表する理論物理学者の一人で、ニュートンの古典力学に革命的な転換をもたらし、現代物理学の基礎を築いた。展示されている書物は、アインシュタインの全集で、アメリカのプリンストン大学出版会から刊行されたもの。表示されている数式は、ローレンツ変換を示している。
*pp.440-441 |
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2. 小川琢治『一地理學者之生涯』 1941 小川芳樹 | 地理 A2||111 |
この本は、地理学教室の創立者で、日本最初のノーベル賞受賞者湯川秀樹先生のご実父である小川琢治先生の自伝(遺著)です。先生は明治40(1907)年の地理学教室創立とともに、初代の教授に就任されました。小川家は日本を代表する学者の家系で、「後記」には5名のご令息のお名前が出ており、湯川先生の他、小川茂樹(中国史がご専門で、後の貝塚茂樹先生)、小川環樹先生(中国文学がご専門)のお名前も見えます。 | |
3. 源氏物語 | 国文学 Mb||1||貴 |
文学部には源氏物語の抄本(手書きの本)を5部所蔵するが、これはそのなかのひとつで、慶長頃の京都の名士がそれぞれの巻の書写を担当した抄本。開いてあるのは桐壺冒頭。桐壺の巻は妙法院の門主の筆になる。書写年代もはっきりしており、また筆跡も堂々とした風格をもち、貴重書になっている。 | |
4. シェイクスピア戯曲集(ファクシミリ) (The first folio of Shakespeare) | 英文 3B||No-2||1 |
『ハムレット』で知られる英国最大の劇作家 William Shakespeareの、最初に出版された作品集(1623年)右側p.265の左の覧の下方、1710行目に有名な”To be or not to be”の台詞が見える。(この頃の活字のSは今日のものとは違う。) | |
5. 西田幾多郎『働くものから見るものへ』 1927 岩波書店 | 田辺文庫 12-3貴 |
哲学者西田幾多郎が京都大学文学部在職中に刊行した最後の著作。本書は西田が同僚であった田辺元に送ったもので、「田邊学兄恵存 著者」との西田の墨跡が残されている。ここには田辺が熱心に読んだことをうかがわせる多くの書き込みが残され、現在は京都大学文学部「田辺文庫」の一冊として貴重書扱いとなっている。展覧している箇所は本書「前編」の第4論文「内部知覚について」の末尾である。 | |
6. 原敬日記(影印本) 1998 北泉社 | 現代史 312.1||Iw||1 |
原敬(1860-1921)は明治・大正期の政党政治家。立憲政友会を率い、衆議院議員ではじめて内閣総理大臣となり、「平民宰相」と呼ばれた。原は克明で、詳細な日記を残しており、日本近代史の第一級史料である。展示されているのは、日記の自筆原本を写真にとり、印刷したものである。1918年9月に内閣総理大臣に任命された時の日記の一節。
*pp.460-461 |
書庫見学ツアー
文学研究科図書館では、29の専修毎にそれぞれ独自の分類があり、違う記号体系で図書が並んでいます。
そして、美学はC書庫、イタリア文学はE書庫、東洋史はF書庫、というように専修別にAからGまでの7つの書庫に複雑に分かれています。
中村先生の案内で順番に書庫を巡り、所々で資料を手にとって見ていただきました。
書庫見学(1) A書庫* |
書庫見学(2) B書庫* |
B書庫 国文学(巻子本) |
書庫見学(3) B書庫* |
書庫見学(4) 特殊文庫* |
書庫見学(5) C書庫* |
書庫見学(6) D書庫* |
D書庫(西洋古典書架) |