京都大学文学部は、ディプロマ・ポリシーに掲げる目標を達成するために、次のように教育課程を編成し、実施する。
- 文学部の学生は、幅広い学問分野に触れ、全人的な教養を身につけるために、全学共通科目の各群の科目を学士課程の四年間で履修する。
- 二回生への進学時に系に分属し、専門分野に進む準備をするために、系共通講義、語学、基礎演習、講読などを履修する。これにより行動科学を含む広義の人文学に関わる基礎的な学識を培うとともに、専門分野についての概観を得る。また英語に限らず多様な言語を学ぶことで、豊富な原典資料や先行研究に基づき、国際的な文脈で分析、議論を行うための言語学的な基盤を築く。
- 専門分野の学問を体系的かつ専門的に深く学び、問題を発見する力を涵養するため、三回生への進学時に専修に分属し、演習や特殊講義を履修する。
- 専修における教育には、京都大学の教育理念「対話を根幹とした自学自習」に基づいた演習や実習などの参加型授業が設けられる。その授業に積極的に参加し、原典や一次資料の精読や分析・検討などを行う。少人数の対話型演習における原典や一次資料の精読や分析・検討などに参加することで、読解力および思考力を高めるとともに、他学生との議論や発表などを通じて問題を整理し解決する能力を涵養する。
- 卒業年次に卒業論文の提出が課される。卒業論文の構想と執筆を通じ、自ら問題を発見し、それを批判的に検討した上で解決に導く能力を磨く。このために学生は、学士課程において培った問題探求能力、分析能力、表現能力を活かし、学修の集大成とするため、教員の指導のもと、自ら論文のテーマを主体的に設定し、卒業論文を完成する。
- 以上の学修課程を通じて、人文学に広い教養と深い専門知識を具え、人類の文化の継承と調和ある発展に指導的に寄与できる資質とともに、強固な責任感と高い倫理性を身につける。
開講科目はシラバスや学生便覧に成績評価のあり方等を明示する。学修成果は、筆記試験、レポート試験、演習への積極的な参加等から評価するが、評価は、科目の特性に応じて公正かつ的確に実施する。