本研究科は、1906(明治39)年、京都帝国大学に開設された文科大学を起源としています。すでに1895(明治28)年、文部省による京都帝国大学 創設案の中にその構想が見られ、教授就任予定者が海外留学を行うなど、長い準備期間を経て開学にあたりました。
創設と同時に哲学科が、翌年に史学科が、翌々年には文学科が発足、1912(大正1)年までの6年間に3学科24講座が設置されました。心理学を独立の 講座とし、中国哲学・東洋史学・中国文学を分離、史学科の中に地理学講座を設けるなど、東京大学とは異なる特色が生まれ、自由で内発的な学風が確立しまし た。
学歴や職歴に関わりなく真に教授たるべき学者を招聘。新聞界から内藤湖南、文学界から幸田露伴を迎えたほか、わが国の人文科学史を飾る錚々たる面々が名 を連ねました。
1919(大正8)年、大学令改正により文学部と改称。昭和にかけて充実期を迎え、いわゆる「京都学派」という呼び名も生まれました。
1949(昭和24)年、敗戦後は新しい教育制度のもとに新制大学院を設置。その後、教育学部の新設に伴い、教育学教授法講座を移管。翌年から 1989(平成1)年までに10講座を増設。1992(平成4)年に文化行動学科が誕生。1996(平成8)年には、従来の学部を部局とする体制から、大学院文学研究科自体を部局とする組織変更が行われ、いわゆる大学院大学として、大学院中心の研究・教育体制が実現しました。
(『京都大学文学部の百年』より抜粋・追加)
年 月 | ||
1897 (明治30) | 6 | 京都帝国大学設置 |
1906 (明治39) | 6 | 勅令第135号により、文科大学開設。哲学哲学史第一(哲学西洋哲学史)、同第二(印度哲学史)、心理学、倫理学、 教育学教授法、支那語学支那文学の6講座設置 |
1907 (明治40) | 5 | 国史学、史学地理学第一(西洋史)、同第二(地理学)、東洋史学、宗教学、社会学、西洋文学(独逸文学)の7講座設置 |
1908 (明治41) | 5 | 国語学国文学、東洋史学第二、西洋文学第二(英文学)、言語学、梵語学梵文学の5講座設置 |
1909 (明治42) | 5 | 国史学第二、史学地理学第三(西洋史)、東洋史学第三、哲学哲学史第三(支那哲学史)、美学美術史の5講座設置 7 第一回卒業生 本科12名、選科修了者8名 |
1912 (明治45) | 5 | 哲学哲学史第四(西洋哲学史)講座設置 |
1913 (大正 2) | 8 | 澤柳事件おこる。総長が文科大学教官1名を含む7教官の免官を決定 |
1916 (大正 5) | 9 | 考古学講座設置 |
1919 (大正 8) | 2 | 文科大学を文学部と改称 |
6 | 国語学国文学第二、支那語学支那文学第二の2講座設置 | |
1922 (大正11) | 5 | 宗教学第二(基督教学)講座設置 |
1925 (大正14) | 5 | 西洋文学第三(仏蘭西文学)講座設置 |
1926 (大正15) | 6 | 宗教学第三(仏教学)講座設置 |
1927 (昭和 2) | 10 | 哲学哲学史第五 (西洋哲学史) 講座設置 |
1933 (昭和 8) | 5 | 滝川事件おこる |
1934 (昭和 9) | 7 | 西洋文学第四(英文学)講座設置 |
1935 (昭和10) | 11 | 文学部三十周年記念祝賀式挙行。『京都大学文学部三十周年史』刊行 |
1937 (昭和12) | 12 | 日本精神史講座設置 |
1939 (昭和14) | 2 | 西洋古典語学古典文学、専攻学生を置く |
1940 (昭和15) | 12 | 伊太利語学伊太利文学講座設置 |
1946 (昭和21) | 3 | 京都帝国大学令改正により、日本精神史講座廃止 |
4 | 女子学生12名を初めて受け入れる | |
1947 (昭和22) | 7 | 哲学哲学史第六 (西洋哲学史) 講座設置 |
9 | 政令204号による帝国大学令改正にともない、京都帝国大学を京都大学と改称 | |
1949 (昭和24) | 5 | 新制大学発足。新制文学部発足。教育学部設立 |
1952 (昭和27) | 3 | 『京都大学文学部紀要』 創刊 |
1953 (昭和28) | 4 | 新制大学院文学研究科発足。文学研究科規定制定 |
8 | 西洋古典語学西洋古典文学講座設置 | |
1956 (昭和31) | 4 | 美学美術史第二(美術史)講座設置 |
11 | 文学部五十周年記念祝賀式典挙行。『京都大学文学部五十年史』、『五十周年記念論集』刊行 | |
1959 (昭和34) | 2 | 陳列館を文学部博物館と改称 |
1960 (昭和35) | 4 | アメリカ文学講座設置 |
1964 (昭和39) | 2 | 当該文部省令の廃止に伴い、哲学科6講座、史学科3講座、文学科5講座が、名称変更 |
1966 (昭和41) | 4 | 現代史学講座設置 |
4 | 内陸アジア研究所(羽田記念館)開設 | |
1969 (昭和44) | 3 | 全共闘運動の高まりから文学部全館閉鎖さる。11月まで授業休止 |
4 | 西南アジア史学講座設置 | |
1973 (昭和48) | 4 | 心理学第二講座設置 |
1976 (昭和51) | 4 | 比較社会学講座(大学院、客員)設置 |
1980 (昭和55) | 4 | フランス語学フランス文学第二講座設置 |
1986 (昭和61) | 4 | 社会人間学講座設置 |
1987 (昭和62) | 11 | 文学部博物館新館、開館 |
1989 (平成元) | 4 | 地域環境学講座設置 |
1992 (平成 4) | 4 | 第四学科として、文化行動学科新設。哲学科から5講座、史学科から2講座が移行し、言語科学、科学哲学科学史の2講座を設置 |
1995 (平成 7) | 4 | 大講座化を実施。4学科44講座を1学科16大講座へ改組。あらたにスラブ語学スラブ文学、日本哲学史、情報史料学、二十世紀学の4専修を設置 |
1996 (平成 8) | 4 | 大学院重点化を実施。5専攻16大講座とする |
1997 (平成 9) | 4 | 文学部博物館を京都大学総合博物館に移管 |
8 | 文学部新館(鉄筋コンクリート八階建)竣工 | |
2002 (平成 14) | 10 | 文部科学省「21世紀COEプログラム」に、「グローバル化時代の多元的人文学の形成」および「心の働きの総合的研究拠点形成」、採択さる |
2004 (平成 16) | 4 | 国立大学、法人化さる |
4 | 内陸アジア研究所を学内施設とし、ユーラシア文化研究センターと改称 | |
4 | サンスクリット語学サンスクリット文学とインド哲学史が統合し、インド古典学専修に改組 | |
2006 (平成 18) | 6 | 文学部百周年。記念講演会・式典・祝賀会が挙行される |
【注】 本年表では、煩雑を避けるため、講座および専修の名称から「・」を省いて記している。(例: 哲学・哲学史 → 哲学哲学史)
学部生の総数 | 974 (4) |
修士課程の院生数 | 254 (18) |
博士後期課程の院生数 | 228 (32)
(上記の括弧内は留学生の数) |
教員数 | 教授 56、准教授29(うち、特定准教授2)、、助教8(うち、特定助教6)、客員教授 2、客員准教授 1 |
職員数 | 常勤 22、非常勤 74 |