本専修は、<美学・芸術学>、<美術史学>、<比較芸術史学>の三分野からなり、美や芸術の成り立ち、日本や西洋の 美術作品の研究、地域を越えた芸術の比較研究といった諸問題を学ぶ。
平川 佳世 | 教 授 | 西洋美術史 |
杉山 卓史 | 准教授 | 美学芸術学 |
筒井 忠仁 | 准教授 | 日本美術史 |
田中 健一 | 准教授 | 日本美術史 |
高等学校までの授業科目にはないために、美学美術史学では何が学べるのか疑問をお持ちの受験生もいらっしゃると思います。私たちの研究室では、美や様々な芸術を理論的に考察し、その歴史をたどる研究を行っています。学生はそれぞれが取り組みたいテーマを自由に選び研究を行っています。ただ、専修の名前から想像されるよりは、研究の領域は広範囲です。例えば、美学の重要なテーマには、「美」や「崇高」、「滑稽」、さらには「醜」といった美的な経験に関する理論的歴史的研究があります。また、日本や中国、あるいはヨーロッパに伝えられてきた美術品を個別に研究し、それが誰の手によって何時生み出され、またそれを生み出した社会と芸術はどう関わるのかといったことを明らかにする研究もあります。もちろん、私たちと同じ時間と世界を共有している美術、音楽、演劇、映画、写真、その他一般の人々に親しまれているメディアなどの現代の諸現象や、それらを生み出すアーティストや制作者の研究もあります。
私たちの研究室は、こうした様々な美や芸術に関わる領域に関心のある方を歓迎します。そして、自らが博物館や美術館、あるいは寺院といった美術品が存在する場、演劇や音楽が上演される場に足を運び、芸術経験を体験するのが好きな人も歓迎します。ただ、そうした場で、単に感動するだけではなく、様々な引っかかりを感じてもらいたいと思います。また、美や芸術学に関わる哲学者達のテクストを読むことでも、やはり同様な体験が起こるはずです。美や芸術に対して、こうした引っかかりを感じることから、研究は始まります。
なお、私たちの教室で、どのような授業や研究が行われているか知りたい方は、ホームページ美学美術史学専修ホーム・ページをご覧下さい。
本専修は、<美学芸術学>、<美術史学>、<比較芸術史学>の三分野からなり、上記の専任の教員のほか、非常勤講師の協力を得て多彩なカリキュラムを提供している。<美術芸術学>では、美的体験の本質、感性や感情をめぐる諸問題、芸術作品の成り立ち、芸術と社会の関係、現代のメディア環境における芸術の様相等を理論的に研究する。そのためには古典および近・現代の美学思想の伝統と取り組むばかりではなく、美や芸術について自分の言葉で語ることができるように、柔軟で批判的な思考を鍛えあげてゆく必要がある。<美術史学>では、日本、東洋、および西洋の美術作品を、それが制作され、受容された歴史的文脈に即して研究する。したがって、まず第一に実作品および古文献資料の調査に基づいた実証的な研究が重視されているが、併せて新しい研究所の精読も不可欠である。したがって、この分野の大学院生には、美術作品を見る繊細な眼を養うとともに、文献の正確な読解力を身につけることが要求される。<比較芸術史学>では、地域、時代およびジャンルを越えた広い視野からの芸術の比較研究を行う。ここでは、日本における外国の芸術の理解の仕方、逆に日本の芸術の外国への影響、さらには異なる文化間での芸術の交流の実態と可能性などについて、歴史実証的、あるいは理論的に考察することを目指している。この分野の大学院生にとっても文献研究が重要であり、研究対象に応じた外国語、漢文、古文の習得が必要なことはいうまでもない。本専修の大きな特色として、以上の三分野は密接不可分の関係にあるという方針で運営されている。したがって、本専修の大学院生には、各自の研究分野に閉じこもることなく、芸術全般に関する総合的な知識と視野を持つことが要求される。機会あるごとに博物館、美術館を訪ね、また演劇、文芸、音楽などに接して各自の芸術体験を豊かにしておくことが望ましい。本専修を志望する学生は、何よりもまず芸術に対して深い関心を持ち、芸術を楽しむ者であってほしい。また、同時に自らの問題意識に基づいて、一人で粘り強く研究を進めることができねばならない。大学院生の研究発表の場として演習が設けられており、そこでは大学院生が教員とともに積極的な発言するよう期待されている。なお、本専修で行われている具体的な研究内容については、1980年より毎年刊行している『研究紀要』(2001年度より『京都美学美術史学』)を参照してほしい。
美術史学 | ||
教 授 | 平川 佳世 | 西洋美術史 |
准教授 | 筒井 忠仁 | 日本美術史 |
准教授 | 田中 健一 | 日本美術史 |
美学芸術学 | ||
准教授 | 杉山 卓史 | 美学芸術学 |