現代社会の諸問題を、歴史学、文学、社会学などの分析方法を参照しながら、文書資料に限定せず、20世紀が生んだ「現代文化」の双璧である映像・マンガな ども素材にして、学際的に研究する。
前世紀の二十世紀は、現代社会のかかえるさまざまな問題が発生したり、深刻化した世紀でした。情報化社会や大衆化社会、そして、ジェンダー問題や環境問題、南北問題、グローバリゼーション、などなどです。このような現代社会の諸問題を理解するために、既成の諸学問の方法論を組みあわせながら、二十世紀の歴史をふり返る。それが、二十世紀学専修の基本コンセプトです。
また、これまでの学問がおもに取りあつかってきた文書資料や造形資料はもちろんのこと、二十世紀文化の象徴といえる映画やマンガ・アニメなどの、新しいスタイルの資料をとりあつかう。これも、二十世紀学専修の特徴です。
二十世紀学専修が独自に提供している授業には、歴史学にくわえて、マンガ・アニメ学、映像学、現代思想学があります。詳しい授業内容や、新入生の専修志望動機、在学生の研究課題(卒業論文)が、ホーム・ページ(二十世紀学専修のホーム・ページ)に紹介されています。
二十世紀は、もはや現代ではない。しかも、刻一刻と現代から遠ざかりつつある。しかし、二十世紀の歴史を振りかえることは、現代社会のさまざまな問題を理解するために必要な根元的アプローチの一つである。大衆社会、情報社会、ポスト・コロニアル社会、そして、ジェンダー問題や環境問題、グローバリゼーション、「国民国家」などなど。これら枚拳にいとまがない現代社会の諸問題は、二十世紀に発現するか、あるいは深化したもとである。本専修は、現代社会への強い関心を出発点にしたうえにで、、前世紀の、文化や社会などさまざまな現象を研究する場である。
本専修の専任教員は、ここ数年、対イスラーム意識を中心にしたオリエンタリズム論を、集合的記憶という枠組みで、文学・映像・絵画などを素材にして研究している。しかし、このような研究テーマと研究方法に関心を持つ学生ばかりでなく、現代社会の諸問題を歴史的に考察しようとする学生に、本専修はひろく開かれている。実際のところ、在籍大学院生の研究テーマは、「フーコー論」「フランス統治下ベトナムにおける教育問題」、「情報教育問題」、「文学とナショナリズム」、「フランス農民運動」、「アメリカ映画史」、「ドイツ青年運動」、「サルトル論」など、多様である。専修のカリキュラムとしても、現代思想、映像メディア論、マンガ・アニメ論、ヨーロッパ現代史、アメリカ現代史、日本現代史、東アジア現代史など、多種類の領域が提供される。
また「二十世紀学」専修は、大学などの研究職への就職を希望する者だけでなく、高度な専門性を身につけてマスコミ・高等学校教員・公務員行政職・システムエンジニアなどに就職することを希望する者にも、ひろく開かれている。
「二十世紀学」専修を希望する者には、高度な日本語表現力と英語力(読解とコミュニケーション)はもちろんのこと、研究対象分野によっては、フランス語などの第二外国語力の習得が、研究遂行のうえで不可欠である。留学を視野に入れた研究を期待している。