受験生向け情報

学部・大学院の教育

文学部・文学研究科は、東洋文化学系・西洋文化学系(文献文化学専攻)、哲学基礎文化学系(思想文化学専攻)、歴史基礎文化学系(歴史文化学専攻)、行動・環境文化学系(行動文化学専攻)、基礎現代文化学系(現代文化学専攻)に分かれています。それぞれの系(学部)ないし専攻(大学院)は、対象とする範囲が広いので、ほぼ、人間や人間の営みに関するすべてのことが研究・教育の対象となります。

本学部・研究科に共通している研究態度は、空論に陥ることなく、実証的に、かつ、幅広い視点で人間を理解しようとする姿勢です。広く、深く、しかも正しく理解するのは、難しいことですが、思い込みを排して、着実な調査と合理的な分析をおこなえば、必ず正しい理解に到達します。そのとき学生・院生が才能や能力を発揮できるように、教員は解答を与えることなく、共に議論し、共に考えて、新たな方向を、自分自身でつかみ取ることができるように指導してゆくのも、本学部・研究科の教育・研究上の特色です。

文学部の4年間

文学部の学生が1回生の時に履修できる科目はほとんどが全学共通科目です。学部専門科目の履修は主に2回生になってからです。学年が進むにつれて勉強する分野が限定されがちですので、1・2回生の間はできるだけ幅広い学問分野に触れておいた方が、長期的に見ればプラスになるでしょう。この時期は所属の専修が決まっていないとはいえ、将来分属したいと思う専修を念頭において、それぞれに必要とされる外国語を履修しておくことが望まれます。

1回生の秋には希望調査をおこない、それによって2回生になるときに6つの系に分属します。文学部には研究・教育の基礎単位として、研究分野に分かれた31の専修があります。専修での研究内容は専門的で、皆さんにとってはそのほとんどが未知のものでしょうから、どのようにして専修を決定すればよいか、とまどうかもしれません。そこで、まず2回生で、専修を大枠でくくった系に分属し、各専修が開講している講義や基礎演習、各国語の文献講読、分属した系でクラス編成された文学部英語を履修し、3回生で希望専修を決定するための準備をします。2回生の秋には希望専修の調査をおこない専修の分属を決定します。その際に、2回生で分属した系と異なる系の専修に分属することも可能です。ただし、専修にはそれぞれ定員があり、定員を超えた専修では選考等がおこなわれます。したがって、希望の専修へ全員が分属できるわけではありません。

3回生では本格的な専門教育が始まります。各専修に分属して、特殊講義や演習といった専門的な授業を履修します。中には大学院生と席を並べるものもあります。また、研究室の行事等にも参加する機会もあり、上級生や大学院生との日常的な研究上の交わりから、学問研究をより身近に感じられるようになるでしょう。他学部に比べて、文献講読や実習、野外実習(フィールドワーク)等、通常の授業とは異なる型式も多くあります。4回生の時に卒業論文に集中するためには、3回生終了時までにできるだけ多くの卒業に必要な単位を修得しておくことが望ましいと思います。

4回生では、卒業論文の作成が中心になります。各自が自ら論文のテーマを決定し、資料・史料を集めて分析し、論文にまとめていく過程は、時には苦しいかもしれませんが、自らの責任で、一つのものを完成することの重要さを学ぶことができるでしょう。この経験は、卒業後の社会生活にとっても、貴重なそして有意義なものになるはずです。大学院へ進学して研究を進めようと考えている人にとっては、卒業論文が本格的な研究のはじめの一歩となります。

文学部人文学科コースツリー

 

大学院

大学院の教育課程は2年間の修士課程(博士前期課程)と3年間の博士後期課程とから構成されています。大学院にはいると、図書館での本の貸出期限や冊数も増え、専修によっては研究室に自分の机を持てるようになります。本格的研究開始を感じられるようになるでしょう。1回生は、4月初旬に希望する指導教員の届と学修・研究計画を提出し、研究活動を開始します。修士課程での必要単位は30単位と学部と比べて少なく、自分自身で研究する姿勢が最も要求されます。2回生で修士論文に集中するためにも、修士課程1回生時にできるだけ多くの単位を取得することが望まれます。修士論文については、論文題目を2回生の10月中旬に専修主任教員の検印を受けて提出しなくてはなりません。論文の提出締切りは1月初旬ですので、題目提出時にはほぼ論文がまとまっている必要があるでしょう。修士論文は研究者に向けての初めての本格的な論文です。私達は「後から来る者は、先に行く者の誤りを訂正し、先行の者を追い越してゆくのが当然である」と考えています。教員が修士論文に期待するところは大なのです。論文の審査と試験に合格した者には修士の学位を授与します。

博士後期課程に進学・編入学しますと、自分が専門的研究の一翼を担うのだという意識が求められるようになります。場合によっては、教員の補助をして学部学生を指導することもあります。博士後期課程には必修単位はありませんが、博士論文指導を受けなくてはなりません。また、1年次の4月には博士後期課程全体の研究主題や具体的な研究計画を、さらに、3月には博士論文作成計画書を提出しなくてなりません。このように、日々専門家としての研究を計画的に進めていくことになるでしょう。

修士課程カリキュラムマップ

博士課程カリキュラムマップ