京都大学大学院文学研究科学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

京都大学大学院文学研究科学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

文学研究科修士課程

 

京都大学文学研究科修士課程においては、人間の諸活動の原理的な解明とその諸活動が有する価値を問い直すことを通じて、行動科学を含む広義の人文学に関わる学術について教授・対話することを根幹の教育理念とする。この理念に基づき、①基盤的・先端的な専門知識、②新たな知を創造しうる能力を有し、③高い倫理性と強い責任感、④研究成果を世界に発信できる語学能力、をそれぞれ有する研究者および高度な専門性を必要とする職業を担いうる人材を育成する。

この教育目標を達成するために、次のような課程修了及び学位授与の規準を設ける。

  1. 修士課程にあっては、所定の年限在学し、研究指導を受け、所定の単位数を取得し、かつ、本研究科が行う修士論文の審査及び試験に合格した者に、修士の学位を与える。
  2. また1.に掲げる要件を満たすことを通じて、修士課程修了にあっては、以下の点に到達していることが求められる。

(1) 人文学のそれぞれの専門分野において、高度な知識に基づく研究能力と、高度な専門性を必要とする職業に従事するための能力を身につけている。

(2) それぞれの専門分野において、原典や一次資料の分析に基づいてオリジナリティを有する研究を進める能力を身につけている。

(3) 専門家としての責任感と倫理性をもって研究を遂行する能力を身につけている。

(4) 研究成果を世界に向けて発信するために必要なレベルの語学能力を身につけている。

(5) 現在の社会がかかえている様々な問題に関して、人文学の立場から積極的に発言できるだけの知識と発言力を持つとともに、将来の世界像を視野に入れて、人文学がいかなる存在意義を持つのかを自覚的にとらえ、社会からのいかなる要請にも自らの専門分野の立場から意義ある発言ができるだけの能力を身につけている。

 

文学研究科修士課程京都大学・ハイデルベルク大学国際連携文化越境専攻

 

京都大学文学研究科修士課程京都大学・ハイデルベルク大学国際連携文化越境専攻においては、人間の諸活動の原理的な解明とその諸活動が有する価値を問い直すことを通じて、行動科学を含む広義の人文学に関わる学術について教授・対話することを根幹の教育理念とする。この理念に基づき、①基盤的・先端的な専門知識、②新たな知を創造しうる能力を有し、③高い倫理性と強い責任感、④研究成果を世界に発信できる語学能力、をそれぞれ有する研究者および高度な専門性を必要とする職業を担いうる人材を育成することを教育目標とする。

この教育目標を達成するために、次のような課程修了及び学位授与の規準を設ける。

  1. 修士課程にあっては2年以上在学し、京都大学では1年以上の在学で15単位以上、ハイデルベルク大学では1年以上の在学で10単位以上、合計で30単位以上を修得し、双方の大学の指導教員による国際連携研究指導を受けて修士論文提出のための学識確認試験に合格し、かつ両大学の教員が合同で行う修士論文の審査及び試験に合格した者に、修士の学位を与える。(単位数の計算において、ハイデルベルク大学側はECTS単位に基づく。)
  2. また1.に掲げる要件を満たすことを通じて、修士課程修了にあっては、以下の点に到達していることが求められる。

 

(1) 文化越境研究に関する知識と理解の上に、国家や文化をグローバルな比較の視点から相対化する手法を習得したうえで、①知識・信念・宗教、②社会・経済・統治、③視覚・メディア・物質文化のいずれかの専門分野において、高度な知識に基づく研究能力と専門性を必要とする職業に従事するためのリーダーシップ、プロジェクトマネジメント能力を身につけている。

(2)上記のいずれかの専門分野において、一次資料の分析に基づいてオリジナリティを有する研究を進める能力を身につけている。

(3) 専門家としての責任感と倫理性をもって研究を遂行する能力を身につけている。

(4) 研究成果を世界に向けて発信するために、英語で学術論文を作成する能力を身につけている。

(5)現在の社会がかかえている様々な問題に関して、人文学の立場から積極的に発言できるだけの知識と発言力を持つとともに、将来の世界像を視野に入れて、人文学がいかなる存在意義を持つのかを自覚的にとらえ、社会からのいかなる要請にも自らの専門分野の立場から意義ある発言ができるだけの能力を身につけている。

 

 

文学研究科博士後期課程

 

京都大学文学研究科博士後期課程においては、人間の諸活動の原理的な解明とその諸活動が有する価値を問い直すことを通じて、行動科学を含む広義の人文学に関わる高度な学術を築き上げることを根幹の教育理念とする。この理念に基づき、①基盤的・専門的な専門知識、②新たな知を創造する卓越した能力を有し、③高い倫理性と強い責任感、④研究成果を世界に発信し国際的連携のもとで研究を推進する能力、をそれぞれ有する研究者および高度な専門業務に従事する能力を有した人材育成することを教育目標とする。

この教育目標を達成するために、次のような学位授与の規準を設ける。

 

  1. 博士後期課程にあっては、所定の年限在学し、研究指導を受け、かつ、本研究科が行う博士論文の審査及び試験に合格した者に、博士の学位を与える。
  2. また1.に掲げる要件を満たすことを通じて、以下の点に到達していることが求められる。

 

(1) 人文学のそれぞれの専門分野において、専門的研究者として自立できる研究能力と、指導的な高度専門職業人としての能力を身につけている。

(2) それぞれの専門分野において、原典や一次資料の高度な分析に基づいてオリジナリティの高い研究を進めるとともに、研究の成果と学術的意義を適切に把握する能力を身につけている。

(3) 専門家としての強い責任感と高い倫理性をもって研究を遂行する能力を身 につけている。

(4) 研究成果を世界に向けて積極的に発信するとともに、国際的な連携のもとで研究を推進する能力を身につけている。

(5) 現在の社会、さらには将来の社会において自らの専門分野がいかに貢献しうるのかということを常に自覚しつつ、学術的に国際的に認められる成果を挙げると同時に、よりよい社会の実現のために意味のある研究を行うための能力を身につけている。