● 現代史学専修 > 記録 > 講義題目 | 前年 / 次年
便覧からの変更点は以下の通り。文学部掲示板に掲示された情報が正規のものなので、掲示内容に注意すること。
系共通科目のうち、現代史学専修の単位表の専門Iおよび専門IIの必修科目または選択必修科目のみを掲げる。他の自由選択科目については「学生便覧」を参照のこと。
種別 | 担当教官 | 題目 | 曜時限 |
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講義 | 紀平 英作 | 現代史学序説 | 金2 |
第一次世界大戦後の世界史を、民族自決の原則の展開、国民国家の組織と変化を中心に概観したうえで、世界恐慌、ナチズム、社会主義、第二次世界大戦後の福祉国家の形成の意味、さらにはグローバリゼーションという二〇世紀史の基本問題に言及したい。 |
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基礎演習II | 前期 永井 和 後期 小野澤 透 |
二十世紀学・現代史学研究入門 | 火2 |
二十世紀学と現代史学研究に関連するテクストを輪読し、現代社会の文化、歴史に関する主要な問題につき理解を深め、あわせて基礎的な研究の方法を学ぶ。 |
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基礎演習III | 杉本 淑彦 永井 和 |
現代文化・デジタルコンテンツ作成演習 | 前期月2 |
WEBサイトの作成を通じて、ポップカルチャーへの理解を深めつつ、コンテンツやシステムの開発に必要なSE(システム・エンジニア)としての基本的スキルを学ぶ。 |
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講読I | 小野澤 透 | 英書講読 | 前期水5 |
1960年代~デタントの歴史を描いた画期的な研究書である、以下の書籍を取り上げる。Jeremi Suri, Power and Protest : Global Revolution and the Rise of Détante (Harvard U.P., 2003) |
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講読I | 小野澤 透 | 英書講読 | 後期水5 |
前期の授業(講読I小野澤)の履修を前提として、授業を進めていく。テキストは前期に続き、下記の書物を取り上げる。Jeremi Suri, Power and Protest : Global Revolution and the Rise of Détante (Harvard U.P., 2003) |
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講読I | 井上 治 | 英書講読 | 前期木3 |
テキストは19世紀から20世紀にかけてのヨーロッパ社会を概説した論文集であり、その内容は階級、家族、消費、宗教といった多様な領域にわたっている。授業では同書からいくつかの論文を選び、それらを精読しつつ英語論文の読解力を養うことを目標とする。Hartmut Kaelble (ed.), The European Way : European Societies in the 19th and 20th Centuries (Berghahn Books, 2004). |
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講読I | 井上 治 | 英書講読 | 後期木3 |
テキストは19世紀から20世紀にかけてのヨーロッパ社会を概説した論文集であり、その内容は階級、家族、消費、宗教といった多様な領域にわたっている。授業では同書からいくつかの論文を選び、それらを精読しつつ英語論文の読解力を養うことを目標とする。Hartmut Kaelble (ed.), The European Way : European Societies in the 19th and 20th Centuries (Berghahn Books, 2004). |
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講読II | 園屋 心和 | 独書講読 | 水3 |
この授業は、文法を一通り習え終えた人を主な対象とし、ドイツ語の文章を読むことに慣れるのを目的とする。テキストは、比較的容易に描かれている西洋史の概説書を用いる予定(前期に関しては、Elisabeth Fehrenbach, Vom Ancien Régime zum Wienner Kongress, München, 1981, 3. Aufl., 1993 を考えている)。購読の授業なので、内容についても触れるが、文章読解に慣れることが目的なので、文法的な解説をできるだけ織り交ぜたい。なお、初回の授業で、読解力を知るための簡単なテストを行うので、受講希望者は、ドイツ語の辞書(電子辞書も可)を必ず持参すること。 |
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講読III | 田中 祐理子 | 仏書講読 | 月2 |
フランス語で書かれた論文を、関連する一次資料を参照しながら精読する。フランス語の文章を丁寧に読み解く作業が授業の主眼となる。同時にそれを通じて、身体と科学の関係から見えくる近代性とはどのようなものかという問題をともに考えていきたい。主なテクストは以下の論集から紹介する。Corbin, Courtine, Vigarello (ed.), Historie du corps, 3 vols., Seuil, 2005-2006. |
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講読IV | 伊藤 順二 | 露書講読 | 木2 |
ロシア語文献を講読する。正字法改革前の文書に慣れるため、革命前の平易な文献を読む予定である。教材としては、政治的パンフレットであるが歴史叙述的な性格も高く、かつ短いものとして、とりあえずチャルフシャン『ロシアにおけるアルメニア人問題』(ロストフ=ナ=ドヌー、1905年、35頁)を予定しているが、受講生の語学的習熟度と希望分野を考慮した上で変更する可能性は高い。 |
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講読V | 小野寺 史郎 | 現代中国の社会問題をめぐる言論状況 | 火2 |
現代中国の抱えるさまざまな社会問題を取り上げた中国語の新聞や雑誌、インターネット上の論説・論文などをテキストとして購読する。中国語の長文に慣れ、理解することを目的とし、1年で10本程度の論説を読み終えることを目標とする。授業形式としては、事前にテキストを配布し、出席者に順番に2-3段落程度を目安に音読・日本語訳してもらい、訂正すべき点を検討する。そのため毎回授業出席者全員に予習を要求する。 |
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講読VI | 天野 恵 | イタリア史概説講読 | 水4 |
ルイジ・サルヴァトレッリによるイタリア概説から近代史の章を選んで講読する。歴史書の場合、当然ながら日本人によって執筆されたものとは史観が異なるうえ、前提として読者に要求される知識や価値観もイタリア人のものであることから、これを読むことは語学の訓練にとどまらず、イタリア文化そのものとダイレクトに接触することを意味する。 |
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講義 | 永井 和 山口 育人 小林 敦子 冨永 望 |
現代文化学への招待(基礎現代文化学系ゼミナールI) | 前期金2 |
現代文化学に関心を持つ文学部の1,2回生を主たる対象に、現代文化学系各専修でおこなわれている、多様で豊かな学問内容の一端を、現代文化学系各専修で学んだ新進気鋭の若手研究者がわかりやすく手ほどきする。格分担者がそれぞれ3~4回のリレー講義をおこない、以下の順番で授業を進める。 |
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講義 | 永井 和 田中 泉吏 井上 治 川嵜 陽 |
現代文化学への招待(基礎現代文化学系ゼミナールII) | 後期月3 |
現代文化学に関心を持つ文学部の1,2回生を主たる対象に、現代文化学系各専修でおこなわれている、多様で豊かな学問内容の一端を、現代文化学系各専修で学んだ新進気鋭の若手研究者がわかりやすく手ほどきする。格分担者がそれぞれ3~4回のリレー講義をおこない、以下の順番で授業を進める。 |
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関連語学 | 長谷川 信弥 | スペイン語(中級) | 火5 |
スペイン語の初級文法の各項目をすでに習得していることを前提に、時事文や小説(おもに短編小説)を講読し、中級レベルの読解力の習得を目指す。そのため、授業への予習と出席は必須であり、これらを平常点として、年2回の試験結果に加味して評価する。 |
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関連語学 | 千田 俊太郎 | 朝鮮語(中級) | 月5 |
朝鮮後の初級を履修したか、それと同等のレベルの学習者が対象の授業である。授業では聞き取り練習・講読練習・簡単な会話の練習を含む作文練習・中級文法項目の解説などを網羅的に取り扱う。具体的にはまずテレビ報道・映画・ドラマなど映像情報の教材を用い、関連文法項目の理解、各分野の基礎的な語彙の習得とともに聞き取りの力を養う。聞き取りの練習では最新のニュースの映像資料からやや長い文章を聞き取ってその要点を書けるようにすることと、映画やドラマなどを通じて韓国の日常生活でよく用いられる口語体の会話表現を習得することを目指す。また、最新の新聞記事の講読などの練習を通し、現代韓国社会についての見識を広げる。授業では時々、自分の考えを簡単な韓国語で話してみたり、書いてみたりする作文練習も行うが、書いてもらった学生たちの作文は添削して返却する。またこれらの映像及び他媒体の資料を理解する上で不可欠な中級レベルの文法項目についてプリント教材を配布し、解説をする。毎回の授業では次回の授業用としてニュースのスクリプト、映画・ドラマのシナリオ、新聞記事、文法項目のプリント教材などを順次提供する。これらの資料の予習を前提にして授業を進める。 |
2008年度(平成20年度)以前現代史学専修分属者
1.現代史学専修の学生は,講義4単位,基礎演習II4単位のほか,語学の単位として,講読I~VIと関連語学2科目のなかから,8または6単位を修得することを卒業必須要件とする。なお,基礎演習IIの重複履修は認めない。
2.今年度開講の講読と関連語学で必修単位として認められるのは上記の表にある科目のみである。なお,講読IVは3回生以上でなければ受講できないが,他の講読および関連語学は2回生から受講可。
3.基礎演習IIを2年次に履修しなかった者は,下に掲げる現代史学演習IIの任意の科目で読みかえることができる。
2009年度(平成21年度)以降現代史学専修分属者
1.現代史学専修の学生は,講義4単位,基礎演習II4単位, 基礎現代文化学英書講読4単位のほか,語学の単位として,講読I~VIと関連語学2科目のなかから,2単位を修得することを卒業必須要件とする。なお,基礎演習IIの重複履修は認めない。
2.今年度開講の講読と関連語学で必修単位として認められるのは上記の表にある科目のみである。なお,講読IVは3回生以上でなければ受講できないが,他の講読および関連語学は2回生から受講可。
3.基礎演習IIを2年次に履修しなかった者は,下に掲げる現代史学演習IIの任意の科目で読みかえることができる。
種別 | 担当教官 | 題目 | 曜時限 |
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特殊講義 | 永井 和 | 大正期の宮廷――家長なき皇室 | 水1 |
大学院の演習や学部演習で解読をおこなってきた「倉富勇三郎日記」を史料として、第一次世界大戦後の皇室をめぐる諸問題を考察する。とくに大正天皇の病により、天皇家の家族問題、家政問題に最終的な決定を下す主体が機能しないこととなり、家長の不在に等しい状況が皇室に発生した。その結果、宮中問題と呼ばれるさまざまな問題が噴出することになったが、それらの問題を取り上げ、皇室や元老や宮内省、内閣などの政治的アクターや集団が展開する政治的な過程を考察するとともに、皇室制度がどのようなメカニズムで動いていたかを明らかにする。 |
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特殊講義 | 小野澤 透 | 1950年代のアメリカ外交と冷戦 | 水3 |
1950年代は、第二次世界大戦後の国際関係が、ある種の安定に向かった時代であったと理解することができる。米ソの対立的な競争関係、欧州の分断状況、そして不均衡な南北関係は、1950年代を通じて事実上の制度化に向かった。言い換えるなら、冷戦体制と呼びうる相対的に安定的な世界的な枠組みが、1950年代には出現しつつあったと考えられる。そして、この時期、相対的にも絶対的にも圧倒的な国力を誇ったアメリカ合衆国は、主要な国際的アクターとして、冷戦体制の形成と展開に重要な役割を果たした。以上のような冷戦体制の出現という観点から、おもにアイゼンハワー政権(1953-1961)の対外政策の諸相を考察する。 |
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特殊講義 | 水野 直樹 | 在外朝鮮人の近現代史 | 水2 |
現在、朝鮮半島以外の地域に多くの朝鮮人が居住している。19世紀後半以降、特に日本による植民地支配の時期に故郷を離れてロシア、中国、日本に移り住んだ朝鮮人とその子孫である。本年度の講義では、おもにロシア、中国地域への移住の要因や過程、移住先での生活、受け入れ国・地域との関係などについて考察するとともに、日本帝国の領域内における在外朝鮮人の歴史的位置を考察する。 |
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特殊講義 | B. Hayashi | アメリカ史 | 水4 |
The aim of the course is to provide you with a background into the social, cultural, and political history of the United States, focusing on the society that emerged from the Civil War to its current status as a global power on the world stage. To explain why the United States of America became a world power while at the same time transforming itself into a nation with many “subnations”, requires that we look at not only its political and economic roots, but its cultural and social dimensions as well. By “cultural” and “social,” I mean not the great literary writers but how average Americans understood the world they lived in through the lens of class, gender, “race,” religion, and region. While the lectures are in English, lectures outlines, multimedia presentations, and other visual aids are part of this course to help you understand the contents. While not yet finalized at the time of this writing, this class will be held jointly with another Department and your assignments and discussions, while similar, will slightly diverge. |
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特殊講義 | 石川 禎浩 | 中国共産党史の歴史認識問題 | 月2 |
中国共産党にとって、革命の歴史を如何に描くか、および自党や各指導者の役割を如何に位置づけるかは、路線闘争と権力確立のための重要課題であったがゆえに、政治と歴史(研究)とは、半ば一体不可分であったと言える。中国共産党が1945年と1981年の二度にわたって、歴史叙述と歴史解釈を党の決議事項として定めたこと(前者は「若干の歴史問題についての決議」、後者は「建国以来の党の若干の歴史問題についての決議」)は、そのもっとも見やすい例である。本講義では、中国共産党史上のいくつかの事件、トピックを対象として、それらに関する歴史叙述が1949年をはさんでいかに変遷してきたのかを、時々の革命情勢、党内事情(とくに延安整風運動)と結びつけながら考察する。 |
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特殊講義 | 高木 博司 | 近代古都と文化財 | 水2 |
(1)「近代の文化財保護史」。近代日本において保護された文化財には、固有な展開を遂げる御物・陵墓・京都御所・離宮・神社景観といった天皇制と関わる体系、文化財保護法(1950年)につながる国宝・史蹟・名勝などの国民に「開かれた」文化財の体系、の二つの体系がある。明治維新期から現代の世界遺産登録状況までの文化財と「日本文化」をめぐる諸問題を考える。 |
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特殊講義 | 木戸 衛一 | ドイツ戦後史再考――無条件降伏から現在まで | 火4 |
日本とドイツは、後発資本主義、ファシズム、無条件降伏と戦後の経済大国化等々、非常によく似た近現代史の過程をたどってきた。ところが、21世紀の今日、世界における両国のイメージははなはだしく異なっている。いったいその原因はどこにあるのかを、1945年以後のドイツの歩みを内在的に検証しながら考察したい。 |
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特殊講義 | 藤目 ゆき | 近現代女性史:軍事主義と性暴力 | 後期水3 |
近現代日本の公娼制度・買売春制度とそれをとりまく社会動向を考察する。授業の計画と主な内容は次の通り。 |
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特殊講義 | 川島 正樹 | 市民権運動の時代のアメリカ(USA in the Civil Rights Era) | 集中 |
現在のアメリカ合衆国は他国の「非民主主義的行為」に対して軍事制裁をも辞さない、「自由」や「機会均等」といった普遍的価値観を重視する国と思われています。ですが、第二次大戦後も長らく国内の南部に少し前の南アメリカ共和国のアパルトヘイトとあまり変わらない人種差別体制を持つ国だったという事実に関しては、キング牧師の「私には夢がある」演説を高校の英語の時間に学んだ学生諸君でさえ、にわかに信じがたいと思います。この授業では適宜ビデオ教材も利用しながら、市民権運動の前半局面(第二次世界大戦後から1965年まで)と、「自由市場」の名の下で実質的に「人種」で隔離された居住区に由来する北部の都市ゲットーのより困難な問題への取り組みに運動が拡大する第二局面を含む市民権運動の全史を概観し、今日のアメリカ社会の価値観や諸制度の確立に大きく寄与した「市民権運動の時代のアメリカ」の歴史的意義の確定を目指します。 |
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特殊講義 | 籠谷 直人 | 日本経済史――「長期の19世紀」論を中心に | 水5 |
近年、アジアの地域内連関のネットワーク性が議論されるようになった。アジアにおいては、ヨーロッパのような主権国家システムは自生的には生まれなかったが、封建制を経験しなかった中華帝国を中心に、商人の自由な商業活動が可能であった。商人による市場の広がりは、ヨーロッパでのそれよりも広範であり、自由であったことが明らかにされつつある。アジアの帝国は主権国家的な主張を地方の権力から奪いながらも、こうした商人の活動には無関心であり、帝国のもとで、商人のネットワークは伸長した。〈主権国家システム〉は産業革命につながる経路を提供したが、〈帝国とネットワーク〉がおりなす通商秩序は、主権国家間システムの通商秩序にひけをとらない、スミス的成長をアジアにも提供した。農業の商業化とプロト工業化を両輪とする市場拡大は、帝国のもとで生じていた。 |
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特殊講義 | 小関 隆 | イギリス史における第一次大戦(その2):総力戦体制とその敵 | 水4 |
2008年度に引き続き、イギリス史における第一次大戦の意味を考えることに授業の主眼を置く。人類がはじめて経験した「総力戦(トータル・ウォー)」といわれるこの大戦を戦いぬくために、イギリスは総力戦体制の整備を迫られるが、その眼目の一つが1916年の徴兵制の導入であった。徴兵制を持たないまま大戦に突入した唯一のヨーロッパ主要参戦国であったイギリスは、「総力戦」の圧力のもと歴史的な一歩を踏み出すことになったのである。徴兵制の導入に対しては様々な角度からの批判があり、少数ながら頑強な抵抗を貫いた良心的兵役拒否者の存在はよく知られている。今年度の授業では、徴兵制の導入と運用、そして内実を探ることとしたい。また、戦間期から第二次大戦にかけての時期にも必要に応じて論及する。なお、内容的に2008年度後期の授業と重複する部分がかなりある。この点はあらかじめ了解されたし。 |
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特殊講義 | 伊藤 順二 | ロシア帝国と「東方」、ザカフカス | 火2 |
19世紀後半以降のロシア帝国とペルシャ・オスマン帝国との関係を、界面としてのザカフカス(トランスコーカサス)を焦点に置いて捉えなおす。コンスタンチノープルを擁するオスマン帝国は、ロシアのメシアニズム的ナショナリズムにとって最大の仮想敵国であり、目的地だった。一方、カージャール朝とロシアとの関係は、大英帝国を背景にひとまずは良好であったともいえる。そのはざまで、いわば跨境的存在としてさまざまに「問題視」されていたのが、現在のザカフカス3国とその周辺に存在していた諸民族である。ロシアの1905年革命とイラン立憲革命とは、グルジア人や「アゼルバイジャン人」を媒介として連携した。バルカン半島での事件をきっかけに始まった第一次大戦は、アルメニア人虐殺という人口学的操作に帰結した。本稿義では、中央アジアやバルカンの情勢をも適宜参照しつつ、1917年革命直前までの情況を概観したい。 |
現代史学専修の学生は,現代史学特殊講義の中から8単位以上を履修しなければいけない。今年度開講の特殊講義は上記の科目である。
種別 | 担当教官 | 題目 | 曜時限 |
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演習I | 紀平 英作 永井 和 |
卒業論文演習 (4回生必修) | 金4 |
卒業論文の作成を目的に演習をおこなう。受講生は自分が選んだ卒業論文のテーマに即して、研究の目的と問題関心、研究文献と関連資料についての調査結果、先行研究の読破とそれにもとづいた問題点の整理作業、自己の研究の到達点等について授業で報告し、指導教官からアドバイスを受ける。報告は、前期に1回、後期に1回、あわせて2回おこなう。卒業論文を提出する予定の4回生以上の学生は、必ず受講しなければならない。 |
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演習I | 前期 紀平 英作 後期 永井 和 |
現代史学演習I:現代史の諸問題 | 火3 |
3,4回生を対象に現代史の諸問題を取り上げ、演習形式で授業を行う。受講者の報告とそれをもとにしたディスカッション中心の授業であるので、参加者は積極的に発言することが求められる。また、必修授業であるので、必ず出席すること。今年度は前期は紀平教授が、後期は永井教授が授業を担当する。演習で使用するテクスト等は開講時に指定する。単位の認定は、報告と出席状況をもとに総合的に評価する。レポートの提出を求めることもある。 |
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演習II | 紀平 英作 | ヨーロッパ・アメリカ現代史演習 | 後期隔週木4,5 |
ヨーロッパ現代史およびアメリカ現代史の基本問題を近年の研究、学説の検討を中心に考える。使用する文献はおもに英語文献を使い、必要に応じてドイツ語文献、フランス語文献を加える。したがって英語能力のほかは、語学能力を問わず履修を認める方針。 |
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演習II | 森 時彦 | 中国現代史演習 | 金2 |
『遍地塩井的都市――抗戦時期一座城市的誕生』(広西師範大学出版社、2005年8月刊)を選読する。 |
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演習II | 李 昇燁 | 朝鮮語文献演習 | 前期水3 |
19世紀末の開港から21世紀初頭に至る、韓国・朝鮮の近現代史における重要資料(朝鮮語)をテキストとして講読し、関連事項について調査する。憲法をはじめとする法律条文、宣言書、演説文、新聞記事・論説、そして文芸作品など、原資料の読解・調査を通じて、その時代の政治・社会の諸相を探ることを目的とする。なたテキストは現代朝鮮語で書かれたものを基本とするが、場合によっては当時の表記によるものを併用して読解力の培養を図る。ただし、読解が難しい近代資料の場合、適宜現代表現に直したものを使用する場合があり、講読の進行も必ずしも古い時代から現代へと進むわけではなく、文章の難易度によって順番を調整する。また、文献以外の資料、すなわちインターネット上の学術情報が人文学研究にも欠かせない資源となりつつある今日の情況に鑑み、朝鮮史研究に(日本史、中国史研究にも)役立つ韓国側のインターネット情報へのアクセス・活用術についても練習する。 |
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演習II | 杉本 淑彦 | 高等学校用世界史デジタル教材(二十世紀の文化と歴史)を創る | 前期隔週金3,4 |
世界史デジタル教材の作成を通じて、二十世紀の文化と歴史への理解を深める。講義は、教科書・教材制作会社の編集者、高等学校教員、ならびにICT企業とゲーム・アニメ・映像製作会社社員の協力(授業参加)を得ておこなう。 |
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演習II | 杉本 淑彦 | 高等学校用世界史デジタル教材(二十世紀の文化と歴史)を創る | 後期隔週金3,4 |
世界史デジタル教材の作成を通じて、二十世紀の文化と歴史への理解を深める。講義は、教科書・教材制作会社の編集者、高等学校教員、ならびにICT企業とゲーム・アニメ・映像製作会社社員の協力(授業参加)を得ておこなう。教材に組み込むゲーム・アニメ・ドキュメンタリー映像を企画し、さらに制作の一部を実習する。 |
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演習II | 福間 良明 | 「戦争の語り」のメディア史・思想史 | 前期水3 |
戦後日本における「戦争の語り」の変容プロセスを、歴史社会学・メディア史の観点から読み解く。戦後思想・映画・文学・漫画・報道・ドキュメンタリー・ツーリズム・記念館等々における「戦争の語り」を検証しながら、戦後の戦争観の変容プロセスやその社会背景について考察する。授業では研究紹介やテクスト(映画・文学・思想・戦争体験論等々)の分析・批評を行い、受講者による発表とディスカッションを主とする。 |
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演習II | 山登 義明 | 映像メディア論A | 前期集中 |
現代社会における映像メディアの存在は大きい。本講座では、企画、取材、編集を実際に体験しながら、ドキュメンタリー番組を一本作り上げることを中心に据えて、映像の構造や意味、メディアの仕組みを考察する。 |
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演習II | 山登 義明 | 映像メディア論B | 前期集中 |
メディアとしての映像は現代社会に猛烈に浸透し、暮らしに大きな影響を与えている。作為であれ不作為であれ映像は操作されて視聴者に届けられる。エンドユーザーである視聴者は「読解」していかなくてはならない。メディアリテラシーが望まれる所以だ。作り手の視点からリテラシーを考える。 |
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演習II | 吉村 和真 | 「マンガと差別」について考える | 後期金2 |
子供だけでなく大人も含め、「マンガを読む」ことが日常となった現代日本。マンガが人間や社会に与える影響力を問うことは、そこに居住する〈私たち〉が何者であるかを知るための有効な手掛かりとなるだろう。本講義では「マンガと差別」をテーマに、マンガの文法や修辞の構造を考察しつつ、マンガの読み描き能力=マンガリテラシーの影響力を多面的に探る。 |
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演習II | 小林 剛 | 英語文献演習:メディア文化研究 | 前期木4 |
本演習では、メディア文化研究の代表的論文を英語で読解しながら、英語コミュニケーション能力の向上を図るとともに、20世紀のメディア文化史について一定の理解を得ることを目標とする。ホールヤジェイムソンのような英語圏の文献だけに限らず、アドルノやベンヤミン、あるいはバルトやボードリヤールといった独仏語圏の論文も英訳で読むので、英語力を鍛えるための講読演習としても機能するように留意するつもりである。1学期でできるだけ多くの論文を読むために、授業スタイルとしてはオンラインのディスカッションボードとオフラインの授業を組み合わせた形を採用する。受講を予定している学生は事前にfacebook内にある「小林剛研究室」グループに参加しておくことが望ましい。研究室ホームページからリンクを張ってあるので、そちらを参照のこと。 |
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演習II | Dick Stegewerns | 英語文献演習:外国の日本人観と、日本の自画像・対外観 | 前期集中 |
この400年間に日本人は世界をどういう風に認識・整理し、そしてその中に自国をどう位置付けてきたか。それと同時に、世界は日本をどういう風に見てきたか。近現代日本の自画像と対外観、そして外国の近現代日本観を、本・映画・漫画やCMというメディアを通して分析する。このテーマに関する講義を行う以外に、英語圏の関連論文を一緒に読む。総合的英語力を向上させる観点から、英語のコミュニケーション能力を上げることに力を入れ、英語論文の書き方なども教える。講義や指導は基本的に英語で行う。 |
2003年度(平成15年度)以前に入学した現代史学・現代文化論専修分属者
上記の演習のうち卒業論文演習4単位,現代史学演習I4単位の取得を卒業必須要件とする。
2004年度(平成16年度)以降現代史学専修分属者
上記の演習のうち卒業論文演習4単位,現代史学演習I4単位,現代史学演習Ⅱ4単位の取得を卒業必須要件とする。
種別 | 担当教官 | 題目 | 曜時限 |
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演習 | 紀平 英作 永井 和 杉本 淑彦 小野澤 透 |
大学院演習 | 金5 |
現代史学および二十世紀学の諸問題(現代史学および二十世紀学専修の大学院生必修) |
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演習 | 永井 和 | 倉富勇三郎日記を読む | 火5 |
昨年度に続けて、倉富勇三郎の東京控訴院検事長時代の日記「充紳」を解読し、翻刻をおこなう。今年度は「充紳」を読む最後の年度となり、日比谷焼打事件の結審後、倉富の進退をめぐる内閣・司法省・検察当局の複雑な駆け引きが日記の記述から明らかとなる。なお、倉富日記の解読・翻刻については、情報・史料学専修で開発中の文献解読・翻刻ツールであるSMART-GSを利用する。SMART-GSの使用法を学び、自分の研究に役立てることも、この授業の目的である。 |
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博士論文 指導 |
紀平 英作 永井 和 |
博士論文指導 | 水2 |
博士後期課程の大学院生のために、学位論文作成の指導をおこなう。 |