行動文化学専攻

言語学専修

理論言語学、諸言語のフィールド調査と記述、歴史・比較言語学、文献学的言語研究など幅広い分野で研究と教育が行われている。院生たちが主催する研究会活動も非常 に活発である。

定延 利之 教 授 日本語の話しことば
千田 俊太郎 教 授 記述言語學、パプア諸語、朝鮮語
キャット アダム 教 授 印欧諸語歴史言語学、古期インド・イラン諸語、トカラ語
大竹 昌巳 講 師 文献言語学・契丹語

文学受験生向けメッセージ

普段,何気なく使っている,言葉というもの。あまりにも身近で,意識することもないかもしれません。言語学は,そんな「言葉」を対象として研究を行う学問分野です。 私たちは,頭・心の中にある思い・考えなどを言葉に託し,音声や文字にのせて,相手に伝え,あるいは,相手から受け取ります。この営みは人類が遥か昔から行ってきたもので,今も世界中で6千とも言われる数の言語が話されています。昔の言葉の姿,言葉の変遷,人が言語を生み出すしくみ,現代の諸言語のありさまなど,言語学の対象とする領域は非常に多岐にわたっています。言語は文化の重要なファクターでもあり,近年の急速な学際化・国際化の中で,言語学はますます大きな役割を果たすことが期待されています。 この専修では,現代言語学のほとんどの領域にわたって研究・教育が行われています。言語学の主要な分野としては,すべての言語に通じる仕組みを探る理論言語学,個々の言語の姿を明らかにする記述言語学,言語の変遷とかつての姿を再現する歴史比較言語学,さらにこれらを基礎として,現地調査を行って実際話されている言語に当たるフィールド言語学,古文献を読み解く文献言語学などがあります。 言語学専修ホーム・ページ →http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/linguistics/lin-top_page/ 言語学専修で学べる科目(毎年少しずつ変わります) →http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/linguistics/lin-classes/

大学院研究科受験生向けメッセージ

教 授 定延 利之 日本語の話しことば
教 授 千田 俊太郎 記述言語學、パプア諸語、朝鮮語
准教授 キャット アダム 印欧諸語歴史言語、古期インド・イラン諸語、トカラ語
講 師 大竹 昌巳 文献言語学・契丹語

本専修は、明治41年(1908)に開設された言語学講座を継承するもので、記述言語学、歴史比較言語学をはじめ一般言語学理論や社会言語学の方法、あるいはそれらを基盤とする個別言語に関する研究と教育がおこなわれている。2012年度の授業科目は、講義科目として「印欧語史的形態論研究」「文献言語学の方法と諸問題」「言語と認知のメカニズム」「現代統語論入門」「バンツー諸語研究」「音韻論研究」「言語コミュニケーション研究」「言語理論と日本語音韻史研究」「実験音韻論入門(集中講義)」「トカラ語入門」「Introduction to Mycenean Greek」、演習科目として「琉球諸語研究:宮古池間方言を中心として」「調音音声学」「古代・中世イラン語文献演習」「韓国語韓国社会実地研修」が開講されている。この他演習には「言語学の諸問題」という科目が設けられ、院生の研究発表とその内容についての議論がおこなわれる。現在、大学院前期課程に 15名、後期課程に13名の院生が在籍する。また研究室には、ほかに学部学生が19名、研修員、聴講生、研究生、研究員が併せて8名所属する。それぞれの研究内容は、記述言語学、歴史比較言語学、類型論、音声学、音韻論、統語論、意味論、談話文法、語用論、認知言語学など多岐にわたっている。また対象とする言語も日本語、朝鮮語、英語、タイ語、中国語、アイルランド語、ツングース諸語、リトアニア語、ギリシア語、サンスクリット語、ベトナム語、ビルマ語、アラビア語、モンゴル語、トルコ語、スワヒリ語など、洋の東西を問わずさまざまである。中には、日本の方言や琉球語、台湾やミャンマー、タイ、中国などで話されている少数民族の言語などの調査に出かける者もいる。文献を頼りに古語の記述をめざす者、さらには未解読の文字の解読に挑戦している者もいる。 過去数年間に提出された修士論文のテーマには次のようなものがある。 「平安時代京畿方言の音調体系に関する試論」「The Particle *h2(e)u in Vedic and Beyond」「印欧語の接辞-*ti-のラテン語における発展」「ジンポー語文法の概要」「古代ギリシア語における語レベルのプロソディ」「ジュバ・アラビア語のプロソディ」「日本語における非情物主語の受動文」「琉球語喜界島上嘉鉄方言の記述的研究」「モンゴル語の母音調和と母音の弱化」「ムラブリ語音韻論の記述的研究」。 現在における言語学の多様性は院生の研究テーマに反映されるだけでなく、その研究活動にも現れている。研究室には常に数種の私的研究会が設けられ、多様なテーマのもとに外部の若手も交えて自由活発な研究交流がみられる。