20世紀初めの中国では清朝が倒壊して大混乱に陥り、中国書画が大量に海外へ流出しようとしていました。これを見た内藤湖南、長尾雨山、富岡謙蔵などの京都学派の面々は、東洋のものは東洋に残そうとのスローガンを掲げて、政界、財界、業界に働きかけ、関西を中心に中国書画を蒐集する大運動を巻き起こしました。現在、関西の公私の博物館、美術館が収蔵する中国書画の名品の多くは、この時期に集められたものであり、鎌倉、室町時代に禅宗、武家を中心に蒐集された古渡りの中国書画とは性格を異にするものでした。京都学派の人たちは、蒐集を指導するに当たって中国文化とは何か、その精髄をなす中国書画の本流とは何かを考えたのです。
▼講演:「関西中国書画コレクションと京都学派」曽布川 寛(京都大学名誉教授)
▼日時:2011年1月22日(土) 14:10~15:30
▼会場:大学コンソーシアム京都(JR京都駅前)第三講義室
▼聴講無料・事前申込不要
*定員:170名
*満席の場合はその時点で受付を終了させていただきますのでご了承下さい。
▼主催:京都大学文学研究科
協力:関西中国書画コレクション研究会
▼問い合わせ先:京都大学文学研究科総務掛 TEL:075-753-2700