中国史学上に不滅の業績を残した内藤湖南は、芸術の面においても、見事に美しい書をものし、さらに絵画においては、透徹した歴史学的な眼を以てする絵画史の記述をなしました。辛亥革命前後に新たに日本にもたらされた中国の絵画の豊富さを、「我邦だけで先づ十分に支那絵画史が作られ得るくらゐである」と語ったのは他でもない湖南ですが、その舶載された書画について、すぐれた鑑識眼を持ったことでも知られ、それがこの時期の日本の中国書画コレクションの形成に与えた影響は多大です。この講座では、湖南の絵画史に対する見解を中心に概観するとともに、「鑑識家はいかにあるべきか」について、とりわけ日本とのかかわりを中心とした湖南の発言を追いながら、鑑識家湖南の素描を試みたいと思います。
▼講演:「内藤湖南の書画論」宇佐美 文理(京都大学大学院文学研究科 准教授)
▼日時:2011年2月12日(土) 14:10~15:30
▼会場:大学コンソーシアム京都(JR京都駅前)第三講義室
▼聴講無料・事前申込不要
*定員:170名
*満席の場合はその時点で受付を終了させていただきますのでご了承下さい。
▼主催:京都大学文学研究科
協力:関西中国書画コレクション研究会
▼問い合わせ先:京都大学文学研究科総務掛 TEL:075-753-2700