「1630年6月21日の朝4時半ごろ、不幸にも、カテリーナ・ローザという女が[…]黒い外套を纏った男がやってくるのを目にした」
歴史⼩説『いいなづけ』で知られる 19 世紀イタリアの⽂豪マンゾーニによるノンフィクション『汚名柱の記』は、裁判記録をもとに、ペストの 蔓延するミラノで起きた冤罪事件を再構築し、過去の不正義を告発する。マンゾーニ渾身の歴史作品は、優れて今日的な問題を孕んでいる。 過去、その誤り、その悪は、決して過ぎ去ってはいない。ゆえに我々は、本 当に歴史主義者たらんとするなら、現在においてその過去を生き、判断せねばならない。[…]拷問は今も存在するし、ファシズムは常に存在するのだ。――レオナルド・シャーシャ
日時:木曜(隔週)10:30-12:00
本年度初回4月21日(2回目は5月12日、以降隔週)
場所:文学部新館6F「イタリア文学共同研究室」
対象:中級以上 簡単なイタリア語の 文章は問題なく読め るレベル。
テーマ:イタリア文学 歴史小説 歴史叙述 裁判・拷問の歴史 冤罪事件 言語的リアリズム
担当者: 霜田洋祐 文学部科目「イタリア語 初級4時間コース」講師 (専門はマンゾーニ『いいなづけ』)
申込方法:gaikokugo@bun.k yoto-u.ac.jp にメールして下さい