開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
前期火1 | 杉村靖彦 | 講義 | 宗教学A(講義) |
[授業の概要・目的]
宗教と哲学は、人間存在の根本に関わる問いを共有しながらも、歴史的に緊張をはらんだ複雑な関係を結んできた。その全体を視野に入れて思索しようとする宗教哲学という営みは、多面的な姿ととりながら歴史的に進展し、現代でも大きな思想的可能性を秘めている。この授業では、その今日までの変遷を通時的に追うことによって、宗教哲学という複雑な構成体について、受講者が一通りの見取図を得られるようにすることを目的とする。 [授業計画と内容] 以下のテーマについて授業を行っていく(細部は変更の可能性あり)。 |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
後期火1 | 杉村靖彦 | 講義 | 宗教学B(講義) |
[授業の概要・目的]
宗教哲学とは、哲学の一形態であると同時に、宗教研究のさまざまな道の一つでもある。この両面性とそれによる独自な意義が理解できるように、この授業では、宗教哲学と宗教学の歴史的関係を明らかにした上で、基本となる文献を幅広く選び、それぞれについて読解の手がかりとなるような解題を行っていく。それを通して、この分野における過去の重要な思索を自ら追思索し、宗教という事象を視野に入れた哲学的・学問的思索の一端に触れることが、この授業の目的である。 [授業計画と内容] 以下のテーマについて授業を行っていく(細部は変更の可能性あり)。 |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
前期水2 | 芦名定道 | 特殊講義 | キリスト教思想研究入門A |
[授業の概要・目的]
この特殊講義は、すでに系共通科目「キリスト教学講義」を受講し、キリスト教思想研究に関心のある学部生、あるいはキリスト教研究の基礎の習得をめざす大学院生を対象に行われる。キリスト教思想研究を目指す際に身につけておくべき事柄について、またいかなるテーマをどのように取り上げるのかについて、解説 を行う。 [授業計画と内容] 本年度前期のテーマは、「宗教改革から近代キリスト教思想へ」である。初回のオリエンテーションに続いて、次のような項目について、講義が進められる。一回の講義で一つの項目が取り上げられる。 0.オリエンテーション フィードバックの具体的なやり方については授業にて説明を行う。 |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
後期水2 | 芦名定道 | 特殊講義 | キリスト教思想研究入門B |
[授業の概要・目的]
この特殊講義は、すでに系共通科目「キリスト教学講義」を受講し、キリスト教思想研究に関心のある学部生、あるいはキリスト教研究の基礎の習得をめざす大 学院生を対象に行われる。キリスト教思想研究を目指す際に身につけておくべき事柄について、またいかなるテーマをどのように取り上げるのかについて、解説を行う。 [授業計画と内容] 本年度後期のテーマは、「旧約聖書と哲学的問い」である。初回のオリエンテーションに続いて、次のような項目について、講義が進められる。一回の講義で一つの項目が取り上げられる。 0.オリエンテーション フィードバックの具体的なやり方については授業にて説明を行う。 |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
前期水4 | 杉村靖彦 | 特殊講義 | 「解釈(学)」をめぐる諸考察―その宗教/哲学的射程 |
[授業の概要・目的]
「哲学者たちは世界をさまざまに解釈してきたにすぎない。だが、大事なのは世界を変えることなのだ」(マルクス)。しかし、哲学と宗教の双方において、その原点となる言葉や書物に立ち返り、それをたえず新たに「解釈」していくことで思索を更新していくという営みがつねに行われてきた。そして、この営みについて「解釈学(Hermeneutik)」の名の下で方法的反省が繰り広げられるようになり、20世紀以降には、哲学・宗教思想においてひとつの重要な潮流となっていった。 [授業計画と内容] 以下の諸テーマについて、一つのテーマ当たり2,3回の授業を充てて講義する。 1.「解釈」とは何をすることか―導入的考察 なお、最後の授業は、本学期の講義内容全体をめぐる質疑応答と議論の場とし、講義内容の受講者へのフィードバックを図る。 |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
後期水4 | 杉村靖彦 | 特殊講義 | 田辺哲学研究 |
[授業の概要・目的]
田辺元の哲学的思索は、その異様なまでの凝縮度と彼固有の論理への偏愛によって異彩を放っている。田辺は西洋哲学の最前線の動向、諸学問の最新の成果を飽くことなく摂取し、歴史的現実にもそのつど敏感に反応しつつ、それら全てに自前の思索によって緊密な総合を与えるべく、生涯血の滲むような努力を続けた。彼の濃密にすぎる文章はそのようにして生み出されたものである。この凝縮体を丁寧に解きほぐし、そこに封じ込められたさまざまな展開可能性を切り出すことによって、今日のわれわれがリアルな接触をもちうるような形で語り直すこと。それが本講義の狙いとするところである。本年度は、『懺悔道としての哲学』(1946)以降の後期田辺哲学の中核となった「実存協同」の概念の展開を追跡しつつ、1950年代以降の晩年の田辺の思索の二本柱というべき「死の哲学」と象徴主義文学への取り組みを扱いたい。この二系統の思索を、単に同時期になされた二つの探究として並列するのではなく、両者の深い次元での照応関係を再構成しつつ、同時代の西洋思想の布置の中に置き直すことが目的である。 [授業計画と内容] 以下の諸テーマについて、一つのテーマ当たり2,3回の授業を充てて講義する。 1.『懺悔道としての哲学』までの田辺哲学の概観 なお、最後の授業は、本学期の講義内容全体をめぐる質疑応答と議論の場とし、講義内容の受講者へのフィードバックを図る |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
前期水4 | 佐藤義之 | 演習 | レヴィナスを読む |
[授業の概要・目的]
レヴィナスは倫理の問題を手がかりに、旧来の哲学の根本的革新を企て、思想界に大きな影響を残した。 [授業計画と内容] 上記の著作はレヴィナスの思想のひとつの到達点である。授業はこの著作の中から「強迫」「痕跡」等々、第一の主著とされる『全体性と無限』の倫理観を先鋭化したとも言える主要概念を選び、その検討を行なう。そのためにふさわしい箇所を抜粋、熟読することで、彼の特異な倫理思想の大枠の理解を試みたい。 第1回:ガイダンス |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
後期水4 | 佐藤義之 | 演習 | レヴィナスを読む |
[授業の概要・目的]
レヴィナスは倫理の問題を手がかりに、旧来の哲学の根本的革新を企て、思想界に大きな影響を残した。 [授業計画と内容] 前期に引き続き、上記著作をテキストとして扱う。後期においては前期の基本的倫理思想の理解をふまえて、彼のこの時期の新展開と言える、「正義」「語ることと語られること」などの諸概念に関連する箇所を抜粋し熟読する。 第1回:ガイダンス |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
前期水5 | 杉村靖彦 | 演習 | Paul Ricoeur, La symbolique du mal を読む |
[授業の概要・目的]
『悪のシンボリズム』は、ポール・リクールが「意志の哲学」の第2巻『有限性と罪責性』の第2分冊として1960年に刊行した著作である。この著作は、リクール哲学が「解釈学」へと変貌する転機となっただけでなく、同時期に刊行されたガダマーの『真理と方法』と共に、20世紀後半の解釈学的哲学を方向づける記念碑的な著作となった。 [授業計画と内容] 第1回 導入 *フィードバックの方法は授業中に指示する。 |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
後期水5 | 杉村靖彦 | 演習 | Vladimir Jankelevitch, La mort を読む |
[授業の概要・目的]
ここ10年来、哲学や宗教が長らく根本問題の一つとしてきた死や死者という問題が、たとえば「死生学」といった新たな意匠の下で盛んにとりあげられてきたが、その際「一人称の死」「二人称の死」「三人称の死」という区分法が自明の事のように用いられてきた。それを最初に提示したのが、ジャンケレヴィッチの大著『死』(1966)である。死の三区分が便利な符牒として独り歩きする一方で、独自の用語を駆使し濃密な文章で展開されるこの著の叙述自体は、ほとんどまともに理解されていないとい言っても過言ではない。 [授業計画と内容] 第1回 導入 *フィードバックの方法は授業中に指示する。 |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
前期木3 | 下田和宣 | 講読 | 宗教/世俗の系譜学 タラル・アサド『宗教の諸系譜』を読む |
[授業の概要・目的]
いわゆる「宗教概念論」の基礎文献である、現代の宗教研究者タラル・アサド(Talal Asad)の 主著『宗教の諸系譜』(Genealogies of Religion, 1993)を読む。 [授業計画と内容] 『宗教の諸系譜』の記述は、複数のアプローチを備えたものである。アサドによる系譜学的探究を 理解するために、前期ではそのなかでもとりわけ第一章「人類学の範疇としての「宗教」の構築」 を読む。宗教を「シンボル」の文化システムであると理解するクリフォード・ギアツの理論がそこ での分析対象となるので、ギアツや、さらにそれを遡るところのカッシーラー哲学についても適宜 目を配りつつ読解を進めたい。 第1回 イントロダクション 第2回~第14回 『宗教の諸系譜』第一章を読む 第15回 フィードバック |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
後期木3 | 下田和宣 | 講読 | 宗教/世俗の系譜学 タラル・アサド『宗教の諸系譜』を読む |
[授業の概要・目的]
いわゆる「宗教概念論」の基礎文献である、現代の宗教研究者タラル・アサド(Talal Asad)の 主著『宗教の諸系譜』(Genealogies of Religion, 1993)を読む。 [授業計画と内容] 前期に引き続きタラル・アサドを扱うが、『宗教の諸系譜』と問題的に関連する『世俗の諸形成』(Formations of the Secular, 2003)が後期講読の対象である。 議論の前提となる「世俗」(secular)、「世俗主義」(secularism)、「世俗化」(secularisation)は非常に錯綜した経緯を持つ諸概念である。それらを解きほぐすためには、テクストの読解と並び、60年代ドイツにおける世俗化論争(ブルーメンベルク、レーヴィット、カール・シュミット等)をはじめ、最近の「ポスト世俗主義」についての議論(ハーバーマス、チャールズ・テイラー等)に配慮することも有効であろう。授業ではそれらの文脈も積極的に考慮したい。 第1回 イントロダクション 第2回~第14回 『世俗の諸形成』第一章「世俗主義の人類学とはどのようなものであろうか?」を読む 第15回 フィードバック |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
通年金2 | 竹内綱史 | 演習 | ニーチェ『悲劇の誕生』演習 |
[授業の概要・目的]
本演習では、ニーチェの哲学上の処女作『悲劇の誕生』(1872年)を精読する。同書は古典文献学の本として書かれてはいるが、当時の文化状況に一石を投じる意図のもと様々な問題意識が詰め込まれており、すでにニーチェ哲学の中心的な発想がすべて揃っているといっても過言ではなく、哲学史的にも一つの画期をもたらした本である。本演習ではその精読を通じて、ニーチェ哲学の核心を理解するとともに、後に「ニヒリズム」として論じられるようになる問題について検討したい。 [授業計画と内容] 第1回 イントロダクション |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
前期金4 | 安部浩 | 演習 | ハイデガーのニーチェ講義を読む |
[授業の概要・目的]
ハイデガーのニーチェ講義。それは、ハイデガーその人の一見秘教的と思しき中期以降の思想を理解する上でも、ニーチェの後期哲学の高峰を踏査する上でも、避けて通ることのできない文献である。しかのみならず、ハイデガーやニーチェの思想との関連を別にしても、それは哲学の根本問題を自ら考える上で実に多くを教えられる、滋味掬すべき必読の書である。 [授業計画と内容] 原則的には毎回、予め指名した二名の方にそれぞれ、報告と演習の記録を担当して頂くことにする。以下、各回に扱う予定である原典の範囲を記すが、授業の進度については出席者各位の実力を勘案して修正することもある。 |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
後期金3 | 安部浩 | 演習 | ハイデガーのニーチェ講義を読む |
[授業の概要・目的]
ハイデガーのニーチェ講義。それは、ハイデガーその人の一見秘教的と思しき中期以降の思想を理解する上でも、ニーチェの後期哲学の高峰を踏査する上でも、避けて通ることのできない文献である。しかのみならず、ハイデガーやニーチェの思想との関連を別にしても、それは哲学の根本問題を自ら考える上で実に多くを教えられる、滋味掬すべき必読の書である。 [授業計画と内容] 原則的には毎回、予め指名した二名の方にそれぞれ、報告と演習の記録を担当して頂くことにする。以下、各回に扱う予定である原典の範囲を記すが、授業の進度については出席者各位の実力を勘案して修正することもある。 |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
金4・5(隔週) | 杉村靖彦 | 演習Ⅱ | 宗教哲学基礎演習 |
[授業の概要・目的]
宗教哲学の諸問題を考えるための基礎となる文献を選び、宗教学専修の大学院生にもチューターとして協力を仰ぎながら、それらを共に読み進み、問題を掘り起こし、議論を行う場となる授業である。授業への能動的な参加を通して、より専門的な研究への橋渡しになるような知識と思考法の獲得を目指す。 [授業計画と内容] (前期) 1. オリエンテーション *フィードバックの方法は授業中に指示する。 (後期) 第1回 オリエンテーション・卒業論文の中間発表 *フィードバックの方法は授業中に指示する。 |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
金4・5(隔週) | 杉村靖彦 | 演習Ⅱ | 宗教学の諸問題 |
[授業の概要・目的]
演習参加者が、宗教学の諸問題のなかで各人の研究するテーマに即して発表を行い、その内容をめぐって、全員で討論する。討議のなかで、各人の研究を進展させることが目的である。 [授業計画と内容] 参加者が順番に研究発表を行い、それについて全員で討論する。各人の発表は二回にわたって行う。即ち、発表者は1時間以内の発表を行い、続いてそれについて討論する。発表者はその討論をうけて自分の発表を再考し、次回にその再考の結果を発表して、それについてさらに踏み込んだ討論を行う。したがって、1回の授業は前半と後半に分かれ、前半は前回発表者の二回目の発表と討論、後半は新たな発表者の一回目の発表と討論となる。 |
開講期・曜時限 | 教員 | 種別 | 題目 |
前期集中 | 下田正弘 | 特殊講義 | 仏教思想論――歴史と解釈―― |
[授業の概要・目的]
仏教学は、洋の東西の人文学が邂逅して出現した近代人文学の縮図であり、その研究史には、近代から現代に至るまでの種々の思想的課題が、潜在的なかたちで胚胎されている。本講義は、近代における仏教研究の歴史を概観し、そこにふくまれた思想的課題を、歴史学と解釈学の弁別と調和という観点から照らし出す。 [授業計画と内容] (研究史批判) |