研究室の紹介・歴史

宗教学講座は明治40(1907)年5月に設置された。以来、松本文三郎、西田幾多郎、波多野精一、西谷啓治、武内義範、上田閑照、長谷正當、氣多雅子らによって担当されてきた。現在の担当教員は、杉村靖彦教授。

本研究室において、学生がこれまでに卒業論文・修士論文等で研究対象としてきた哲学者・思想家はきわめて多岐にわたる。
主として近代以降の英・独・仏語圏の思想家が選択されることが多いが、近代以前でも、プロティノス、アッシジのフランチェスコ、トマス=アクィナス、エックハルト、クザーヌス、ルター、ベーメ、ライプニッツ、道元、一遍、法然、親鸞、神道思想、イスラム思想等を主題として論文が執筆されている。

近代以降では、英米系ではW.ジェイムズ、ホワイトヘッド、アーレント、シュッツ、エリアーデ、フェミニズム思想等、ドイツ系ではカント、フィヒテ、シュライアマハー、ヘーゲル、シェリング、ショーペンハウアー、キルケゴール、ニーチェ、フロイト、ブーバー、ユング、ティリッヒ、ハイデガー、ヤスパース、アドルノ、ハーバーマス等、またフランス系では、パスカル、メーヌ=ド=ビラン、ラヴェソン、M.ブロンデル、ベルクソン、サルトル、S.ヴェイユ、マルセル、エリアーデ、レヴィナス、メルロ=ポンティ、リクール、デリダ等、日本語圏では西田幾多郎、田辺元、鈴木大拙、西谷啓治、滝沢克己、上田閑照等が採り上げられている。

 明治40(1907)年  イェール大学のラッド教授が、正規科目として「宗教哲学」を開講。
 同年  宗教学講座開設。インド哲学史講座担当の松本文三郎教授による兼担。
 明治41(1908)年  松本の指導で宗教学会が作られる。
 大正2(1913)年  西田幾多郎(1870-1945)、本講座最初の専任教授として就任。
 大正3(1914)年  西田、哲学哲学史講座に移り、再び松本の兼担となる。
 大正6(1917)年  波多野精一(1877-1950)、本講座教授就任。
 昭和12(1937)年  波多野、退官。
 昭和18(1943)年  西谷啓治(1900-1990)、本講座教授就任。
 昭和22(1947)年  占領政策に基づき西谷、退官。
 昭和27(1952)年  西谷、復帰。
 昭和33(1958)年  西谷、西洋哲学史講座に移る。
 昭和34(1959)年  武内義範(1913-2003)、本講座教授就任。
 昭和51(1976)年  武内、退官。
 昭和52(1977)年  上田閑照(1926-2019)、本講座教授就任。
 昭和58(1983)年  本研究室が母体となり、「京都宗教哲学会」発足。
 昭和59(1984)年  同学会機関紙『宗教哲学研究』発行。
 平成元(1989)年  上田、退官。
 同年  長谷正當、本講座教授就任。
 平成7(1995)年  本講座の助教授であった藤田正勝を教授として、日本哲学史講座が新設される。
 平成12(2000)年  長谷、退官。
 同年  氣多雅子、本講座教授に就任。
 平成20(2008)年  「京都宗教哲学会」改め「宗教哲学会」発足。
 平成29(2017)年  杉村靖彦、本講座教授に就任。
 平成30(2018)年  氣多、退官。