教官 | 藤田正勝 | 種別 | 講義 学部(2回生可) |
曜日・時限 | 金・3 | 教室 | 総合研究2号館 第9講義室 |
題目 | 日本哲学史講義 | ||
内容 | 最初に日本哲学史研究の意義および方法についての考察を行うとともに、言葉、経験、自己、身体、技術、美、宗教等の哲学上の諸問題について、西田幾多郎や田辺元、九鬼周造、和辻哲郎、三木清、西谷啓治らの思想を手がかりに、哲学的・哲学史的に考察する。 | ||
テキスト・参考文献 | 講義の際に適宜指示する。 |
教官 | 井上克人 | 種別 | 特殊講義 学部・大学院 |
曜日・時限 | 月・2 | 教室 | 総合研究2号館 第9講義室 |
題目 | 明治期アカデミー哲学の系譜と京都学派の哲学 | ||
内容 | 日本思想ということであれば、例えば空海や最澄、天台本覚思想、またそれを批判的に継承した鎌倉新仏教の法然、親鸞、道元、さらには徳川期における古学、国学、心学など、様々に取り扱うテーマが挙げられようが、こと「哲学」ということになれば、やはり明治期以降に限られる。明治初頭の啓蒙思想家たちは、英仏系の哲学思想の移植を図ったが、やがてドイツ学の奨励とともに、主としてドイツ観念論の哲学の受容が盛んになっていく。しかしこの時期の西洋哲学の受容は単なる紹介に終始するものではなく、日本独自の哲学を新たに創造する試みがなされた。明治17年(1884)1月、井上哲次郎や井上円了、三宅雪嶺など、東京大学哲学科の卒業生を中心に「哲学会」が結成され、後年のドイツ哲学中心の官学アカデミズムの出発点となるのだが、彼らは西欧の哲学思想を受容していくなかで、次第に自分たちが伝統的に継承してきた東アジアの思想ないし宗教思想がきわめて優れた哲学体系を持っており、その内容も西洋哲学と比較しても決して遜色のないものであるばかりか、十分に形而上学的思考といえるものであることを確信するにいたる。それは一言でいえば「本体的一元論」の思考様式であって、それは大乗仏教のみならず、宋学の形而上学にも共通に見られる「体用(たいゆう)の論理」であり、それを彼らは「現象即実在論」と称して、西洋の二元論的な哲学的思考に対抗しようとしたのである。 現在、欧米諸国において、日本を代表する哲学として広く喧伝されている京都学派の哲学も、この明治期アカデミー哲学が標榜する「本体的一元論」の系譜につながるものであり、つまるところ「体」と「用」との「内在と超越」の論理を独自の仕方で展開させ、深めていったものといっても過言ではない。 本講義では、以上のような視点に立って、日本の哲学が、西洋哲学のみならず、東アジア圏の思想傾向と比較して、どこにその独自性が見られるのかを究明してみたい。 |
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テキスト・参考文献 | テキストは用いない。参考文献は授業中に適宜指示する。 |
教官 | 木岡伸夫 | 種別 | 特殊講義 学部・大学院 |
曜日・時限 | 木・2 | 教室 | 総合研究2号館 第9講義室 |
題目 | 風土学の論理 | ||
内容 | 前後期を「歴史的考察篇」と「理論的考察篇」に二分して、風土学の全体像を提示する。 〈前期:風土学的思考の展開〉 19世紀末に浮上した西洋近代の自己反省が、それに追随する日本の近代化過程において、ほぼ同時に風土学的な反省を生み出した。この解釈上の大枠にしたがい、和辻哲郎『風土』(1935年)に代表される30年代日本哲学の風土学的思考を明らかにする。 〈後期:風土学の理論的反省〉 オギュスタン・ベルクのひそみに倣い、風土学の理論的可能性を検討する。従来の哲学的語彙に代わるべき「風土」「場所」「空間」「風景」等の基本概念を批判的に規定し、それらにもとづく存在論(風土の論理)と認識論(風景の論理)の概要を示す。 |
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テキスト・参考文献 | 木岡伸夫『風景の論理――沈黙から語りへ』世界思想社、2007年 |
教官 | 辻本雅史 | 種別 | 特殊講義 学部・大学院 |
曜日・時限 | 後期 火・4 | 教室 | 教育学部 第4演習室 |
題目 | 貝原益軒の思想世界と近世の学問・教育・メディア | ||
内容 | 貝原益軒は、これまでの思想史ではあまり高く評価されることはなかった。ところがその一方で、日本の教育学では、「本邦教育学の祖」というように、とくに高い評価が与えられてきた。そのこと自体、今日の思想史や教育学・教育史のあり方を反映しているといえるのだが、興味深いことに、近世においても、儒者等の世界での益軒の評価は低かったのに対して、非知識人層においては「益軒先生」への人気は、絶大なものがあった。こうしたギャップを念頭において、益軒の思想の構成や特質と、彼の具体的な活動に即して、益軒の思想と学問およびその活動に関する歴史的、もしくは教育史的意味を考察してみたい。その作業は、たんに益軒の思想や学問を解明するだけではなく、近世社会における出版メディアや読書、民衆の学問などに関わって、近世的学問の社会的位相についても考察、言及することになる。 | ||
テキスト・参考文献 | 参考文献:辻本雅史『「学び」の復権』(角川書店、1999) |
教官 | 林 晋 | 種別 | 講義 学部・大学院 |
曜日・時限 | 金・3 | 教室 | 新館 第3演習室 |
題目 | 田邊元を読む:「種の論理」を中心にして | ||
内容 | 日本論理学史の試みとして、2007と2008年度の特殊講義で、明治期の論理学と京都学派の論理(学)について検討した。今年度は、京都学派の内、田邊元に焦点を当て、科学哲学の時代から「種の論理」の時代までの、その思想の変遷を追い、特に「種の論理」研究の動機を理解することを試みる。 出版された著作の他に、群馬大と京大が保有している一次資料(手帳、講義ノートなど)の分析も行う。その際には部分的に演習形式を取り入れ、文献研究用ソフトウェアSMART-GSを用いて翻刻や文献学的分析を行う。 日本哲学史演習『田辺元の「種の論理」』(月3)を合わせて履修し、「種の論理」の哲学的内容を理解することを薦める。 |
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テキスト・参考文献 | 適宜資料を配布する。 |
教官 | 藤田正勝 | 種別 | 演習 学部・大学院 |
曜日・時限 | 月・3 | 教室 | 新館 第3演習室 |
題目 | 田辺元の「種の論理」 | ||
内容 | いわゆる田辺哲学の中核をなす「種の論理」について、「種の論理の意味を明にす」などの論文を手がかりに、その形成の過程、内容、意義について明らかにすることを試みる。あわせて、そのなかに込められた西田幾多郎の哲学に対する批判にも光を当てる。 | ||
テキスト・参考文献 | 『田辺元全集』(筑摩書房)第6巻、第7巻所収の「種の論理」に関する諸論文 |
教官 | 芦名定道 | 種別 | 演習 学部・大学院 |
曜日・時限 | 月・1 | 教室 | 新館 第2演習室 |
題目 | 日本・アジアのキリスト教──波多野精一(2)── | ||
内容 | 日本・アジアのキリスト教の歴史を振り返りつつ、その新しい思想的可能性を探ることは、日本におけるキリスト教思想研究にとって重要な意味を有している。本年度は、昨年度(『西洋哲学史要』『基督教の起源』)に引き続き、波多野精一の宗教思想が取り上げられる。波多野は、日本のキリスト教思想における独自の本格的な宗教哲学を構築したことで著名な思想家であるが(波多野宗教哲学)、本年度は、宗教哲学の方法論に関わる文献を扱いたい。つまり、波多野宗教哲学の代表的な三部作(『宗教哲学序論』『宗教哲学』『時と永遠』)の内、『宗教哲学序論』に取り組むことが本年度の目標になる。合わせて、全集第三巻に所収の「宗教哲学の本質及其根本問題」「宗教学」なども読んでゆきたい。 授業では、日本キリスト教思想において波多野に関連した諸問題、あるいは波多野についての諸研究についても、留意しつつ、テキストの厳密な読解が試みられる。 |
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テキスト・参考文献 | 『波多野精一全集』第三巻(岩波書店) |
教官 | 林 晋 | 種別 | 情報技術演習I 学部(2回生可) |
曜日・時限 | 後期 木・2 | 教室 | 情報処理端末室 |
題目 | 人文学研究のための情報技術入門 | ||
内容 | 歴史学、文献学などの人文科学では文献の研究が、その大きな部分を占めるが、IT技術の普及以後、デジタル・ライブラリ、文献資料、歴史資料のCD、DVDの出版、スキャナ・デジカメによる記録等、が当たり前のこととなり、その研究方法が大きく変り始めている。本演習ではOPAC, デジタル・ライブラリなどによる情報収集技術から始め、コンピュータ等を利用しつつ、それらを研究し、加工し、そして論文、Blog などの「作品」にまとめる方法を、実際の作業を通して学ぶ。 個人あるいはグループで研究テーマを決め、それについての「作品」を完成することを目標とし、その作業を通して技術を学ぶという演習形態をとる。テーマは担当教員と相談の上で決定する。 「作品」は、Blog, Web page, レポート・論文のような文書、情報・史料学専修で開発している歴史文献研究用のソフトウェア SMART-GS の文書、のいずれかの形で作成してもらう。複数も可。たとえば、SMART-GS を使い歴史資料の研究を行い、それを Blog で公開するなど。また、IT技術を既にある程度身につけている中・上級者には個別にプログラミングの指導を行う。 なお本演習は、ITの入門コースではない。ワープロの操作など、コンピュータの最低限の操作はできるものとして演習を進める。 |
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テキスト・参考文献 | なし |
教官 | 藤田正勝 | 種別 | 卒論演習 学部 |
曜日・時限 | 隔金・4-5 | 教室 | 日本哲学史研究室 |
題目 | 卒論演習 | ||
内容 | 参加者の発表をもとに日本哲学史上の諸問題について議論するとともに、卒業論文作成の準備を行う。日本哲学史専修4回生以上は必修。 |
教官 | 藤田正勝 | 種別 | 演習II 大学院 |
曜日・時限 | 隔金・4-5 | 教室 | 日本哲学史研究室 |
題目 | 日本哲学史の諸問題 | ||
内容 | 参加者が各自研究するテーマについて発表を行い、それに基づいて討議を行う。日本哲学史専修大学院生は必修。 |
教官 | 水野友晴 | 種別 | 講読 学部(2回生可) |
曜日・時限 | 木・4 | 教室 | 総合研究2号館 第10演習室 |
題目 | 『善の研究』講読 | ||
内容 | 『善の研究』に代表される初期西田哲学のテキスト群は、西田哲学のみならず近代日本哲学全体の土台をなしているといっても過言ではない。それらにどのような由来と可能性があるのかを見ることは、とりもなおさず日本哲学の基礎的教養を身につけることにほかならない。 本講読では『善の研究』を章単位で読み進めてゆくことにする。あらかじめ設定した課題に基づいて学生発表を行い、発表後、講評やディスカッションを通じて『善の研究』の背景と思想的意義、さらには発展の可能性などについて考究してゆくことにしたい。 |
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参考文献 | 『善の研究』(岩波文庫)。その他の資料は授業中に配布する。 |
前年度までの授業
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