教官 | 藤田正勝 | 種別 | 講義 学部(2回生可) |
曜日・時限 | 金・3 | 教室 | 総合研究2号館 第9講義室 |
題目 | 日本哲学史講義 | ||
概要・目的 | 日本哲学史研究の意義について考察するとともに、日本哲学史上論じられてきた主要問題について概観し、検討を加える。 | ||
内容 | 最初に総論として日本哲学史研究の意義および方法について考察する。その後、各論と して言葉、経験、自己、他者、身体、技術、美、死等の哲学上の諸問題を取りあげ、西田幾多郎や田辺元、九鬼周造、和辻哲郎、三木清、西谷啓治らの思想を手 がかりに、哲学的・哲学史的に考察する。 | ||
テキスト・参考文献 | 藤田正勝『西田幾多郎――生きることと哲学』(岩波新書) 藤田正勝編『日本近代思想を学ぶ人のために』(世界思想社) |
教官 | 藤田正勝 | 種別 | 特殊講義 学部・大学院 |
曜日・時限 | 月・4 | 教室 | 総合研究2号館 第9講義室 |
題目 | 田辺元の哲学 | ||
概要・目的 | 日本の代表的な哲学者の一人である田辺元の哲学を取りあげ、その形成過程をたどるとともに、その哲学史上の意義、および現代的な意義について考察する。 | ||
内容 | 本年はまず田辺元の前期の思想形成の過程を中心の論じたいと考えている。とくにカン ト・ヘーゲルの哲学の受容とそれに対する批判、それを通して形成されていった「絶対弁証法」の立場、さらにはそれを踏まえて構築された「種の論理」につい て、そのプロセス、内容、意義について明らかにすることを試みる。加えて後期の思想、とくに晩年に構想された「死の哲学」についても論じたいと考えてい る。 | ||
テキスト・参考文献 | 『田辺元哲学選Ⅰ・種の論理』(岩波文庫) 『田辺元全集』(筑摩書房) |
教官 | 森 哲郎 | 種別 | 特殊講義 学部・大学院 |
曜日・時限 | 水・2 | 教室 | 文学部新館 第3演習室 |
題目 | 西谷啓治の「宗教」思想 | ||
概要・目的 | 日本を代表する哲学者の一人であり、また西田哲学の本質的な継承者でもある西谷啓治の哲学全体とそこに一貫する「宗教」思想を考えてみたい。 | ||
内容 | まず西谷前期の立場の基礎構造を『根源的主体性の哲学』や幾つかの基礎論文を踏まえ て太い筋で捉えてみたい。そこから看取される哲学の根本特徴、また「宗教」理解の基礎構造(「生の根源性」・「非人格性」・「自然の底」・「我意の根」・ 「自己」以前・以後)が いかに中期や後期の主要著作にまで通底しているのかを吟味したい。その上で以下の作品群からその時期の主要な「宗教」思想の成立 とその現在的意義を考えてみたい。 1)「根源的主体性の哲学」・「宗教哲学序論」 2)「世界観と国家観」・「近代の超克」私論 3)「神と絶対無」・「ニヒリズム」 4)「宗教とは何か」(宗教論集Ⅰ) 5)「禅の立場」(宗教論集Ⅱ) 6)「寒山詩」・「空と即」等 これらの主要著作から各時期を代表するテキストを厳選して一緒に精読しながら西谷哲学の全体的理解を試みたい。またその現在的意義とともに西田哲学との異同をも考えてみたい。 |
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テキスト・参考文献 | 西谷啓治『宗教と非宗教の間』(岩波書店) |
教官 | 林 晋 | 種別 | 特殊講義 学部・大学院 |
曜日・時限 | 金・2 | 教室 | 文学部新館 第2講義室 |
題目 | 西田哲学・田辺哲学のテキスト生成研究:IT文献学入門を兼ねて | ||
概要・目的 | 手稿・日記などの一次資料を通して過去の偉大な思索者の思想を読み解 く.今年度の対象は,哲学者田辺元と西田幾多郎,及び,両者の「論争」である.田辺哲学では主に種の論理に焦点を当て,関連する特殊講義メモ,日記などを 読む.西田哲学では田辺の西田批判としての種の論理への反論である「論理と生命」の原稿,ゲラ刷り修正などを使う.また,西田・田辺両文庫の貴重書の書き 込みなども利用する. | ||
内容 | 授業は, 講義のフェーズと,それに基づいて史料を読む演習のフェーズに分かれる.まず講義を行い,その準備のもとで演習を行う.史料読みの演習では, 史料のオリジナルではなく,その電子画像を使かい,難解な崩し字を読むために,歴史史料研究用のツール SMART-GS を使う.出席者の知識や能力に応じて,講義と演習の比重は変化する.講義フェーズのテーマは以下の通りである: 1.田辺哲学と西田哲学の概要,2.両哲 学における数学への言及とその役割,3.それを理解するための数学の説明,4.京都学派とドイツ哲学史(新カント派,現象学,批判存在論,カント・ヘーゲ ルなど)5.田辺・西田論争.各項目平均して講義2,演習4が標準となる. | ||
テキスト・参考文献 | 配布する電子文書. A Parting of the Ways: Carnap, Cassirer, and Heidegger, byMichael Friedman, 2000, Open Court. |
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その他 | 手稿分析などに史料分析用ソフトウェアSMART-GSを多用する.講義参 加者用のノートPCを数台用意しているが,自習などを考慮し自分の PCを持ってくるとよい. |
教官 | 秋富 克哉 | 種別 | 演習 学部・大学院 |
曜日・時限 | 火・2 | 教室 | 総合研究2号館 第9演習室 |
題目 | 西田幾多郎『働くものから見るものへ』を読む | ||
概要・目的 | 本演習 の目的は、西田哲学の展開にとって決定的となった論考「場所」を読み解きながら、その基本的立場を理解し考究することである。そのため、「場所」が登場す るまでの初期の立場の考察から出発し、『働くものから見るものへ』の関連テクスト、さらに「場所」へと読み進めて行く。特に、思想的背景にある西洋哲学と の対決に留意していきたい。また、外国語訳との対比も試みてみたい。 | ||
内容 | 前期は、論考「場所」に取り掛かる準備として、純粋経験と自覚あるいは絶対自由の意 志の立場等について確認し、次いで『働くものから見るものへ』所収の論考「直接に与えられるもの」「働くもの」を読み進め、「場所」に進んでいく予定であ る。後期は、引き続き、論考「場所」を徹底的に読み解きながら、併せて関連する哲学的諸テーマについて考察を深めていく。 | ||
テキスト・参考文献 | 西田幾多郎『西田幾多郎全集 第4巻(旧版)、第3巻(新版)』(岩波書店) (テクストはこちらでも準備する。) | ||
その他 | 毎時間、担当者を決めて、テクストの内容に沿った報告をしてもらい、その後、出席者 間で議論をする。レジュメの用意が必要である。なお、翌週の授業の初めに、必ずプロトコールを行った上で、授業を進めていきたい。演習に関わる質問等は、 講義後あるいはメール(アドレスは、授業にて指示)で行うこと。 ※オフィスアワー実施の有無は、KULASISで確認してください 。 |
教官 | 芦名定道 | 種別 | 演習 学部・大学院 |
曜日・時限 | 水・4 | 教室 | 文学部新館 第3演習室 |
題目 | 日本・アジアのキリスト教──波多野精一(4)── | ||
概要・目的 | 波多野精一は近代日本を代表するキリスト教思想家であるが、この演習では、『時と永遠』(1943年)を精読することを通して、波多野の宗教思想についての理解を深め、キリスト教的宗教哲学の可能性について考える。 | ||
内容 | 日本・アジアのキリスト教の歴史を振り返りつつ、その新しい思想的可能性を探ること は、日本におけるキリスト教思想研究にとって重要な意味を有している。本年度は、昨年度(『宗教哲学』)に引き続き、波多野精一の宗教思想を取り上げる。 波多野宗教哲学の内容に関わる文献、つまり、波多野宗教哲学三部作の内、『時と永遠』(1943年)に取り組むことが演習の目標になる。本年度は、トレル チ、ティリッヒ、ヒックらの宗教哲学と比較対照することによって、波多野の宗教哲学を、20世紀のキリスト教思想の文脈に位置づけることを試みたい。授業 では、日本キリスト教思想において波多野に関連した諸問題、あるいは波多野についての諸研究についても、留意しつつ、テキストの厳密な読解が試みられる。 | ||
テキスト・参考文献 | テキストはコピーして配付する(岩波『波多野精一全集』第四巻) | ||
その他 | 毎時間、担当者を決めて、テクストの内容に沿った報告をしてもらい、その後、出席者 間で議論をする。レジュメの用意が必要である。なお、翌週の授業の初めに、必ずプロトコールを行った上で、授業を進めていきたい。演習に関わる質問等は、 講義後あるいはメール(アドレスは、授業にて指示)で行うこと。 ※オフィスアワー実施の有無は、KULASISで確認してください 。 |
教官 | 林 晋 | 種別 | 情報技術演習I 学部(2回生可) |
曜日・時限 | 前期 木・2 | 教室 | 情報処理端末室 |
題目 | 人文学研究のための情報技術入門 | ||
概要・目的 | IT技術の普及以後、史学・古典学などでの文献/資料研究の方法が大きく変り始めている.本演習ではOPAC, デジタル・ライブラリなどによるWEB上情報収集技術から始めIT技術を文献研究に活用するための方法を実戦的に学ぶ. | ||
内容 | OPAC, 電子アーカイブ(ライブラリ), Wikipedia などによるWEB上情報収集の技術から始め,デジカメ,スキャナ等を利用しての文献資料の収集・整理の方法.そして,論文,Blog などの「作品」にまとめて発表するまでの方法を,実際の作業を通して学ぶ. 基本を学んだ後,個人あるいはグループで研究テーマを決め,それについての「作品」を完成することを目標とする. 「作品」は,Blog, Web page, 歴史文献研究用ツール SMART-GS の文書,のいずれかの形で作成してもらう. なるべく各自の能力・知識に配慮した個別指導を行う.たとえば,IT技術を既にある程度身につけている中・上級者には, 希望により個別にプログラミングの指導を行う.
Webによる調査の演習では,国会図書館に提供してもらったデータを使い、国内最大の電子アーカイブである近代デジタルライブラリの不明著者情報の調査を行う. |
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テキスト・参考文献 | なし | ||
その他 | 必ず「教育用コンピュータシステム利用コードECS-ID とパスワード」を第一回目に用意してくること.これがないと演習ができない. |
教官 | 藤田正勝 | 種別 | 卒論演習 学部 |
曜日・時限 | 隔金・4‐5 | 教室 | 日本哲学史研究室 |
題目 | 卒論演習 | ||
概要・目的 | 卒業論文の作成に向けて、その準備を行う。 | ||
内容 | 卒業論文の作成に必要な事項について学ぶとともに、参加者の発表 をもとに日本哲学史上の諸問題について議論し、卒業論文作成の準備 を行う。日本哲学史専修4回生以上は必修。 |
教官 | 藤田正勝 | 種別 | 演習II 大学院 |
曜日・時限 | 隔金・4‐5 | 教室 | 日本哲学史研究室 |
題目 | 日本哲学史の諸問題 | ||
内容 | 参加者が各自研究するテーマについて発表を行い、それに基づいて討議を行う。日本哲学史専修大学院生は必修。 |
教官 | 水野友晴 | 種別 | 講読 学部(2回生可) |
曜日・時限 | 木・4 | 教室 | 総合研究2号館 第10講義室 |
題目 | 西田幾多郎『善の研究』講読 | ||
概要・目的 | 『善の研究』に代表される初期西田哲学のテキスト群は、西田哲学のみならず近代日本 哲学全体の土台をなしているといっても過言ではない。『善の研究』が世に問われて100年、それらにどのような由来があるのか、また、それらを見ることを 通してどのような世界貢献と現代社会への応用の可能性が開かれてくるのか、本講義では積極的なディスカッションを通じて以上のことがらを学び、深め、共有 する場を提供することを目的とする。 また、『善の研究』を正確に読むためには、同時代の哲学に対する基礎的教養を有している必要があるが、本講読では補助教材等を利用してそういった知識を習得することも併せて目的とする。 |
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内容 | 本講読では『善の研究』を章単位で読み進めてゆくことにする。あらかじめ設定した課題に基づいて参加者が発表を行い、発表後、講評やディスカッションを通じて『善の研究』の背景と思想的意義、さらには発展の可能性などについて考究してゆくことにしたい。 | ||
参考文献 | 西田幾多郎『善の研究』(岩波文庫) (本講読では、岩波文庫版の『善の研究』を底本とするので、必ず入手のこと) 西田幾多郎/全注釈小坂国継『善の研究』(講談社学術文庫) |